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〜15話〜 ページ16

森久保「あ、Aちゃん〜?」

騒がしい音と共に森久保さんの声が聞こえたがその声はどこか甘い気がした。

「はい 佐久間ですけどどうかされましたか?」

小山「祥太郎〜 この子に迎えに来て貰うの?」

違う人の声。

小山「あっと電話の向こうの方聞こえてます?」

「は、はい!」

小山「って女じゃねぇか!祥太郎のやつ相変わらずかよ」

「森久保さんがどうかされたのでしょうか?」

小山「祥太郎のやつずっとお嬢さんの名前呼んでて悪いけど迎えに来てやってくれない?」

「わ、分かりました 居酒屋の名前とか教えて貰っていいですか?」

電話先の人から伝えられた住所は自宅のあるマンションから徒歩で15分程度の所だった。

すぐに行くと伝えバイクを自宅まで走らせた。

どうして私なのだろうかと考えながら。









居酒屋に到着すると店先に割と沢山の人だかり。

その中でも一番怖くて一瞬ヤクザじゃないかと思った人が私に気づいてくれた。

小山「お嬢さん 祥太郎の女?」

「森久保さんの女ではありませんが先程お電話に出た者です」

小山「こんな遅くに悪いな」

「いえ 私も仕事でしたので…」

小山「祥太郎ならそこに座ってるから」

指を指された所を見ると森久保さんが頭を膝に埋めて座っていた。

地面に座っていないだけまだ大丈夫そうに思えた。

すぐにしゃがんで声を掛ける。

「森久保さん 佐久間です 歩けます?」

無理そうならタクシーを呼ぼう。

森久保「Aちゃん?」

顔を上げた森久保さんの瞳は赤く頬もほんのり桃色。

「はい そうです 迎えに来ました」

私がそう言うと視界が真っ暗になった。

鼻にお酒の匂いと森久保さんの香水が混ざった匂いが香る。

森久保「んじゃ 俺帰るわ〜」

視界が明るくなるとやっと抱きしめられていたのだと分かった。

大胆過ぎる行動に戸惑っていると右手を掴まれて引っ張られる。

怖いヤクザの人や他の人も私と同じ様に困っていたが私は頭を下げながらその場を去って行く。

「も、森久保さん!」

人通りの少ない路地に私の声が響く。

前を歩いていた森久保さんがやっと止まる。

森久保「ん〜〜?」

「ん〜〜じゃなくてですね」

どうしてさっき皆の前であんな事をしたんですかって聞きたかったが聞けなかった。

森久保「だってAちゃん 今日大輔の声好きとか言ってたから妬いちゃった」

何で、どうして妬くの。

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アルマジロ(プロフ) - 豆腐さん» コメントありがとうございます!また森久保さんの話書こうと思っているので是非見て下さったら嬉しいです!これからも頑張ります!! (2021年11月4日 17時) (レス) id: b1fa09fe0f (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - とっても面白くて浪川さんの作品からいつも更新を楽しみにしていました!!リクエストというほどでは無いですが森久保さんが大好きなのでいつかまた書いて下さったら嬉しいです。今後も応援しています! (2021年11月4日 0時) (レス) id: a5eec28c4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルマジロ | 作成日時:2021年10月2日 22時

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