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冷たい水を顔にかけ眠気を飛ばす。
洗濯機の上に雑に置いてあるタオルを手に取り顔を拭く。
そして着ている寝巻を脱いで洗濯機の中に放り込む。
そのまま自室に入りクローゼットを開ける。
腰の高さぐらいのチェストからTシャツと半ズボンそして愛用しているデスクチェアに掛かっているスポーツ用のパーカーを着て最後に靴下を履く。
自室を出て玄関の靴箱からランニングシューズを取り出す。
しゃがみ 紐を解いた靴に足を入れ再び紐を締める。
ポケットに鍵とスマホを入れ重圧な扉を開き鍵を閉め階段で一階まで降りるとまだ薄っすらと霧がかかっている。
霧の中をゆっくりと歩き自分の決めている場所から走り出す。
帰りに元教え子である竈門炭治郎のお店 竈門ベーカリーで朝食のパンを買うのが俺の朝のルーティンだ。
スマホで時刻を確認すると6時50分。
竈門ベーカリーの開店時間は7時。
今日も良い感じに走れたな。
心でそう呟いて竈門ベーカリー付近にある大きな公園の出口から出る。
歩いて向かえば出勤前のスーツを着た人や中には高校生も並んでいた。
十一月に入ってからだった竈門ベーカリーに長蛇の列ができる様になった。
元々列ができる程の人気だったがここ最近は朝こうして並んでいる人の中に並んでいる。
ベルの音が鳴ると店主の炭治郎が顔を出して先頭の五人を連れて中に戻って行った。
店内は広くないからだ。
自分の順番が回ってくると必ず炭治郎は挨拶をしてくるので俺も挨拶を返しトレーに山盛りにパンを積む。
炭治郎の母親に会計をしてもらうがいつも会話は炭治郎の弟 妹の学校生活の話だな。
その会話をすませ三つの袋を持ちながら木製の扉を開けるとベルの音色が聞こえるのだが今日は凄く大きな低く唸る様な音にかき消されてしまった。
音の主は赤と黒を基調としたスーパースポーツ型のバイクだ。
黒いフルフェイスのヘルメット。
革ジャンにジーパン。
少し厚底のブーツ。
華奢な体であんな大物を扱っているのは凄いと感心しているとヘルメットがゆっくりと外される。
ヘルメットの中から溢れ出る栗色の長い髪。
一瞬しか分からなかったが金色のピアスが見えた。
髪を手櫛で直しながら振り向いた顔に心臓が熱く苦しくなった。
何故 そうなるかって‥‥彼女は前世の煉獄杏寿郎が恋心を抱いていた女性だったから。
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作者名:アルマジロ | 作成日時:2020年12月9日 20時