赤色で私を染めてください

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残されたビーフシチューを泣きながら食べた今日。

再来週のはじめさんとのお菓子作りも無しになった。

今まではそう言う楽しみな事が少なかったから普通だったのに。

楽しみがあるから仕事が頑張れる。

もうその楽しみも自分で壊した。

私がいけないのだ。

それから仕事もろくに手が付かず上司の人に怒られる毎日。

フォローしてくれる後輩と同期。

切り替えなきゃいけないのに切り替えれない。

それはまだはじめさんの事が好きだから。

LINEも電話さえこなくなってしまった。

やっとの休暇。

会わない様に静岡の街を歩く。

東京の人ゴミに流されると考えもまとまらない。

静かな場所に来たかったのもある。

横断歩道の信号が赤になって立ち止まる。

とも＞あれ Aちゃん？

後ろから名前を呼ばれる。

振り向くとともたかくん。

A＞びっくりした 珍しいね １人？

とも＞そうそう 少し用事があって

A＞私服だ

とも＞会うと思ってなかったからくそダサいや

片手には洋服屋の紙袋。

A＞洋服買ったの？

とも＞冬物少なくてさ Aちゃんははじめさんの所に？

A＞色々あって・・・

言葉を濁らすとともたかくんの顔色が変わった。

とも＞ここじゃあれだし俺の家来る？ 汚いけど

彼も一応 YouTuberだ。

周りの事もある。

A＞うん

ともたかくんの家にあがる。

A＞お邪魔します

とも＞どうぞ

１人暮らしにはちょうどいい広さの部屋。

A＞ダーツやるの？

とも＞たまにね

さっきコンビニで買った飲み物を机の上に置く。

A＞その

とも＞はじめさんもろくに編集と撮影に手がついてない

A＞私が悪いの

とも＞なんで

A＞はじめさんに好きって言われて私も好きなのに

とも＞うん

A＞二股の事 会社の人に言われて 私も付き合ったら同じことされるんじゃないかって

とも＞それはAちゃんの勝手な思い込みじゃん

A＞だけど！

とも＞確かにはじめさんも悪いけどさ はじめさんの彼女になるってそう言う覚悟ないと

覚悟。

私にはそんな覚悟。

あるの。

ないの。

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