赤色で私を染めてください

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A＞私みたいな人って

はじ＞なんだろ見てて元気出るんだよね〜

A＞はじめさんは女の人にこうやっていつも言ってるんですか？

はじ＞え？

スプーンを置く。

A＞その会社の人にこないだ２人で歩いてたねって言われて・・・

はじ＞あちゃー 大丈夫だった？

A＞それではじめさんの事 色々 聞いちゃって

はじ＞嫌いになった？

分からない。

私も正直に言えば良かった。

A＞遊ばれてるのかなって思っちゃいます

はじ＞遊んでないよ 俺は本気で言った

A＞言葉だけじゃ信用出来ないです

はじ＞Aちゃん

A＞私 はじめさんの事 好きなんです

はじ＞じゃあ

A＞でも お付き合いは出来ません

はじ＞なん・・で

A＞浮気されるのが怖いんです 初めての人がそんな人は嫌なんです

膝の上で強く握った拳に涙が落ちる。

はじ＞ごめん もう２度と合わない

荷物を持つはじめさん。

リビングのドアが閉まる。

A＞ま、待って！

リビングのドアを開けると同時に玄関のドアが閉まった。

終わったんだ。

私の初恋。

床に座り込む。

冷たい。

でも、心が痛い。

苦しい。

涙も止まらない。









Aちゃんに言われた一言。

「浮気されるのが怖いんです」

確かにそうだ。

俺の過去は消せない。

大勢の人に知られてしまっている。

だから言われるのも分からなくない。

それでも俺はAちゃんの事が好きだった。

お互い好きなのに。

俺の過去が。

消せない過去が消えてさえくれれば。

付き合えていたのに。

Aちゃんのビーフシチュー美味しかったな。

また 食べたい。

もう会えないのに。

タクシーを呼ぶはずだった駅までの道のり。

涙で歪んで自分がまっすぐ歩けているのか歩けていないのか分からない。

ただ久々に泣いた。

心が痛い。

Aちゃん 好きだよ。

シャツの袖で雑に涙を拭く。

こっから。

諦めないから。

ずっと片思いでもいい。

いつか君が振り向いてくれることを祈る。

ともたかに取られちゃうかな。

告白したって言ってたし。

今日は帰って寝よう。

明日から。

あ。

２度と会わないなんて言っちゃった。

言うつもりじゃなかったのに。

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