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信号の無い十字路。
傘の中に居て視界はいつもより狭かったが、右の、結構近い位置から走ってくる赤い乗用車に気付き、私は足を止めた。
だが真名部くんはそのまま横断しようと歩き続ける。
A「!!」
私は真名部くんも車の存在に気付いているだろうと思っていたから車に気付いてすぐに立ち止まったのだが、
十分にスピードを落とさずにこちらへ走ってくる車に真名部くんは気付いていないのか、真名部くんはそのまま先を歩いていく。
それに気付いた私は迷う暇もなく真名部くんに駆け寄った。
そして真名部くんの左腕をガシッっと掴み、自分も後ろに下がりつつ真名部くんをぐいっと強引に後ろへ引っ張った。
真名部「!?」
お互い、声を出す間もなかった。
私が真名部くんを後ろに引っ張ったその瞬間、ビビ――ッっと大きなクラクションを鳴らしながら水溜まりの水を飛ばし、
すぐそばまで来ていた赤い乗用車は私と真名部くんのすぐ前を派手に横切っていった。
真名部「………あ……」
A「ちょっと危ないっ!轢かれるところだったじゃない!」
さすがの真名部くんも自分が置かれていた状況に気付いたようだ。
真名部「……そうですね。目の前をすごい音で横切られるまで車の存在に気付きませんでした。……」
私がこうやって無理にでも真名部くんと一緒に帰っていなかったらと思うとゾッっとした。
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野生のスタッフ(プロフ) - すだちゆさん» おおおお!!ありがとうございます!!読矢くんは公式じゃモブみたいなものなので(笑)この話に出すにあたって「誰だよこいつ知らないしどうでもいいよ」ってならないようにしなきゃっていうのをすごく意識して作ってるんですよ。なのでそう言っていただけて嬉しいです! (2014年7月14日 22時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
すだちゆ(プロフ) - こちらにもコメントさせていただきます!もうこの話のおかげで私の心臓がやばいっす…夢主ちゃんも真名部くんも良すぎて…仲直りのシーンを思い出してはにやにやしてしまいます←今後和人や読矢くんとはどうなるのかも気になりますね〜(^○^) (2014年7月14日 22時) (レス) id: 54fc04f119 (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 龍桜丸さん» 今回の真名部とのシーンはもう何回も書き直してようやくできたものなのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。 当初はもっとあっさり仲直りする予定だったんですけど、入れないと繋がらないな、不自然になるなって描写入れたりしてたらこんなに長くなりましたw (2014年5月30日 14時) (レス) id: ec04b12eb2 (このIDを非表示/違反報告)
龍桜丸 - やっぱり今回のお話もすごかったです。夢主ちゃんのことばや謎を残して次回へ繋げるところなどでは説得力があったり、読者に期待を持たせることがうまく出来ていて、本当に素晴らしいお話でした。そういう点で、本当に尊敬します。 (2014年5月30日 1時) (レス) id: 71d99a5684 (このIDを非表示/違反報告)
野生のスタッフ(プロフ) - 美桜さん» 今回も読んでくださってありがとうございます! 本当は昨日のうちに上げる予定だったんですけど投稿しようと思ってた時間帯がちょうど占ツク鯖落ちしてたので今日になってしまいましたw コメント励みになります! ありがとうございました! (2014年5月29日 0時) (レス) id: 5818d612b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生のスタッフ | 作成日時:2014年5月28日 14時