焼肉 ページ14
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黒後「…Aさん凄い」
「え?」
黒後「ずっとそんなこと考えながらトスあげてたんですか?」
「そりゃあ、セッターだったからね」
私が思うセッターの仕事は、一点を託す人を決めること。
このタイミング、こいつならって思える人を選ぶこと。
だから極力目立たず、決定率の高いエースを引き立てること。
これが正解ってわけではないけど、私はセッターになってからずっとそうしてきた。
エースが目立てばミドルが活きる。
ミドルが目立てばエースが活きる。
そうしてリズムが組み立てられる。
その過程が、すごく好きだった。
西田「…やっぱ凄いっすねぇ」
「セッターなら誰でも考えると思うよ。それぞれ組み立て方は違うと思うけどね」
西田「じゃあ、トスあげてください!」
「ええー、またあげんの?」
石川「…俺にもあげてください」
「…え」
…嫌って言いたい。
石川くんは約2年間、それから代表になってから、関田さんのトスを打ってきた人だ。
私のフォームを見て関田さんを思い浮かべなかったわけがない…!
「…関田さんにあげてもらってるでしょ」
石川「…本当にお手本にしてたのか気になるから打ちたいんだけど」
やっぱ知ってますよねー。
絶対比べられるやつやん。
関田さんより上手いわけないでしょ。
石川「…あげてくれたら今度焼肉奢るから」
「愛ちゃんごめん、石川くんにサーブだけ打ってもらえる?」
黒後「…は、はい」
「西田くんも石川くんも早くコートに入って」
石川「…単純かよ」
「なんとでも言え」
西田「その焼肉俺も行きます!」
「うん、おいで。日本のスターにいっぱい奢って貰おうね」
西田「はい!」
…我ながら単純。
だって焼肉よ?ずっと食べてなかったから久しぶりに食べたいし。
石川祐希この野郎。女の扱いをわかっていやがる。
…女ってか私だけ?
黒後「Aさん準備いいですかー?」
「おっけー」
黒後「石川さん、いきますよー」
石川「いいぞー」
…いつ見ても石川くんのレシーブは綺麗で、思わずみとれてしまう。
石川くんの最高打点は351cm。
だけど、毎回そうとは限らないから、
彼が今、一番気持ちよく打てるところにトスをあげる。
バシンッといい音がして、西田くんが「Big Shot!」と叫んだ。
「どう?」
石川「…キモい」
「ええ…」
石川「…キモいくらい関田さん」
「やった、褒められた」
石川「これ褒め言葉なの?」
「関田さんを目指してきたんだから、褒め言葉じゃないわけないでしょ」
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エマりん - 読んだら感想を仲良し芸能界で! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!はい、読みたいです! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 貴方の作品を見てみてすごいと思いました!だから私の作品も見てほしいなぁって思いました…読んでくれる?作品名は仲良し芸能界です!高評価お願い! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!!はい!ぜひ!友達申請お待ちしております!! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - めちゃくちゃ良かったです!友達になりませんか? (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年10月23日 21時