いいじゃん、面白そうで 【3年A組】

46話 ページ48

「もがいて、悩んで、苦しんで

それでいいんだ

背伸びなんかしなくていい

1人で何もかも背負わなくていい

1人で罪を被ろうとしなくていい


等身大のお前で、いいんだよ」





先生の目は






「壊れてしまう前に、崩れ落ちる前に


誰かに頼れ


周りを見ろ


立ち止まって考えろ


景山は、親友のお前が悪者になることを望むのか


冷静になって


グッと踏みとどまって


クルッと頭を一回転させろ」






どこまでも






「……大河、お前は今回間違った

でももう二度と、過ちを繰り返すな

お前の安全は、この俺が必ず確保する




死んで償おうとするな

生きて償え」






綺麗に澄み渡って







「この半年間、」







そして







「よく、頑張ったな」







優しかった







「……ｯう、ぁ、」







嗚咽が止まらない







「うあぁ、あ、あぁあぁっ」






ずっと溜めてきたものが溢れてきて






「うぁあぁあぁあぁあｯ！！！」









涙となって零れ落ちた






・






・






・

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



涙も枯れた頃、朝日が差し込んできた
あぁ、また眠れなかったと徹夜の脳でぼんやり思う


「大河、教室に戻る前に一つ」


「なぁに」


もう隠していることはないが、どうしたのだろう
不審に思いながら先生を見やる


「お前に






・





・





・





俺の協力者になって欲しい」








「…は?」

漏れたのは何とも間抜けな声
そんなことを言われるなんて思いもしなかった

「……どうして?」

「全てを知っているお前なら、余計な説明はいらない


…それに、安心して任せられそうだからな」


酷く違和感のある台詞だった
上手く呑み込めず、どういうこと?と尋ねる





「実は……俺はもう、長くは持たない」





ひゅっ、と息を呑む


時が止まったように感じられた

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