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45話 ページ47














「はい、落ち着いて

俺にあわせて息吸ってー吐いてー」


「ひゅっ、ひっ、、ひ、」


背中を摩られて我に返る

話しながら過呼吸に陥っていたようだ

私の中であの出来事は完全にトラウマとなっていた


「無理に喋らせて悪かったな」


目の前の柊はとても悲しそうな顔をしている

どうしてそんな顔をするのだろう





「……それで、お前は大丈夫だったのか?」


「…えぇ……何故かあの後警察が来て

喜志は裏口から逃げていったわ

私は無事に保護されたから…」


背中を摩って貰ったお陰で、なんとか落ち着いた。


……それにしても、あれは本当に不思議だ

どうして警察が来たのだろう…

私は警察なんて呼んでいないのに…


「その後私は2日間学校を休んだ

それで3月になって、アンタから電話が来たわ

1日は必ず学校に来いって…それで今に至る」


「なるほど…状況は理解した」


柊は長く溜息を吐く

それから私の拘束を解いた


「……柊、センセイ」


「どうした」


長いこと”先生”という呼称を付け忘れていたからか酷く違和感がある

私は自由になった腕で、先生の肩を掴んだ

その途端、涙が溢れた




「……ッ私、間違ってた、?」





零れた涙が、先生のベストを濡らした




「私は澪奈の親友だと思ってた

なんでも気兼ねなく話してくれる、素敵な友達だと思ってた

でも澪奈は違った!!本当のこと、何も言ってくれなかった…!!」




ずっと思ってたことが






「でも、私は…、最低だった!

澪奈のこと利用して、皆の注目の的になろうとして

認められたくて、褒められたくて、

澪奈の存在に付け入った……!


澪奈の本当の気持ちを知ろうともしなかった

澪奈のイジメを止めようとしてめげずに話しかけたのも、

私が偽善者だったから!!」






溢れ出す







「私は、知る必要があったんだ

知らなければいけなかった!!


澪奈がどうして、死んじゃったのか、


親友として、

澪奈を助けられなかった

せめてもの罪滅ぼしとして、


澪奈の代わりに、

復讐しないといけないと思った、


それが残された私の義務なんだって

死ぬ覚悟も出来ていないくせに

偽善の塊だけで行動して

墓穴を掘って空回りして






……馬鹿、だよね」







ポタリと、涙が落ちる





それは、私だけのものではなかった









「…………それでいい」









先生は









「それでいいんだ」









泣いていた

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設定タグ:3年A組 , 夢小説 , 柊一颯   
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月23日 17時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか?すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね!まさかの共犯になるなんて…!面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みズま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年1月14日 19時

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