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7話の氷漬け ページ8

その後は、帰宅する準備ができたものから解散になった。…とりあえずは帰れる、ということか。


「またね〜A!」

『ああ、また明日』

声をかけてくれたさくらに軽く手を振ってから、急ぎ足で用意された家に向かう。
この家は兄さんが東京で使っている家だ。



『…ただいま』


恐らく、誰もいないであろうリビングに向かって呟いた。案の定、返事はなかった。


≪相変わらず、会いに来ねえなあ≫

『…兄さんは忙しいから、仕方ない』


そう、兄さんは忙しい人だから、会えないことは仕方がないことなのだ。
私がこっちに来たからと言って、会いに来てくれるわけでも、居場所を教えてくれるわけでもないのに


≪前に会ってからどんくらいだ?≫


『…わからない』


誰もいない部屋に、私の声だけが響く。
けれどこの寂しさにも、もう慣れてしまった。


『私とは違って、兄さんは本当に完璧な人だから。仕事がたくさんあるんだろう』


そう自分に言い聞かせて、さっさとお風呂に入って寝よう、と思った、そんな時。

ふと着信を知らせる音楽が鳴った。相手はよく知る、幼馴染。


『…もしもし』

「あ、A。ちゃんと帰ったか?」

『当たり前だろう、私は小学生じゃないんだぞ』

そう言えば私たちはどちらともなく、不意に込み上げてきた笑みを零した。
何だかんだ、いつも心細さを消してくれるのは幼馴染だ。


『それで、何の用?』


「ああ、…さっき吹雪さんから電話があってさ。お前に繋がらなかったから俺にかかってきたんだと思うけど」

『ああ、電源を切っていたから…、それで?』

「もう暫くは忙しいって」


『…そうか。伝言ありがとう』

「気にするな。…A、俺はお前のこと、応援してるからな」

『…あぁ、頑張るよ』

豹牙の分も、とは、流石に言えなかった。此奴に対して失礼であるような、気がして。


「…もう遅いから寝るよ。じゃあな、おやすみ」

『…おやすみ』


豹牙との電話が終われば、急速に静けさが戻ってくる。私の零す溜め息が、大きく響いた。


『……士郎兄さんは、どこにいるんだろう』

《さあな。ま、電話を入れてたんならこの騒ぎを知らないわけじゃねえと思うけど》


『…そうだな』


…きっと、会いたいと思っているのは私だけなのだろう。寂しくないといえば、もちろん嘘になるけれど。


だけど私には、アツヤ兄さんがいるのだから。

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天照ノ巫女(プロフ) - デルタ((優嫁さん» うん!でもコメント欄はチャット禁止らしいから(長い)こみゅ~のほう行くね! (2015年2月12日 19時) (レス) id: 1795f43136 (このIDを非表示/違反報告)
天照ノ巫女(プロフ) - デルタ((優嫁さん» わーい\(^o^)/嬉しい~。これからも頑張ろうね!なんか色々 (2015年2月12日 18時) (レス) id: 1795f43136 (このIDを非表示/違反報告)
天照ノ巫女(プロフ) - デルタ((優嫁さん» 私が忘れられてたら…とかは思ったよ(笑) (2015年2月2日 23時) (レス) id: 1795f43136 (このIDを非表示/違反報告)
天照ノ巫女(プロフ) - デルタ((優嫁さん» 覚えてるよ~(>.<)わー、でも安心 (2015年2月2日 22時) (レス) id: 1795f43136 (このIDを非表示/違反報告)
天照ノ巫女(プロフ) - デルタ((優嫁さん» パソコン…私のまわりはパソコンが壊れる人が多い!←私のせいなのか!まぁ、でもよかったですよ… (2015年2月2日 21時) (レス) id: 1795f43136 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2013年8月1日 13時

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