疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです【短編集】

kne 3 ページ7

「Aじゃん、そんなところに座り込んでどーしたの？」



いつも通りの天使スマイル、やっぱり私の彼氏は世界一……と見惚れていたが、違う違うと自分を正気に戻す



「え、えっと、なんでドア開いたの……？」



混乱しすぎて言葉が続かない、
なぜ叶はドアを開けたんだ？？



いや、別にドアを開けるも開けないも叶の自由だし、でもこんな夜中に、いやこんな時間に来ている私が言えたことじゃないけど



叶を見つめながら答えを待つも、叶もこちらをうっすらとした笑みで見つめてくるだけ



そのまま沈黙が流れる



私の頭はぐるぐると回り続け



誰か部屋にいて帰そうとしているところ？
こんな時間まで誰か部屋にいたの？
誰かってもしかして女の人？
こんな時間まで？
なにしてたの？


どうせコンビニに行こうとしてたとかそういうことなのはわかってる、わかってる…けど
どんどん嫌な方向に考えが走っていっていやだ



疲れやらなんやらで涙がじわりと滲み出してきた



「なんて顔してんの〜」



冗談じゃん、そういって冷たい笑顔から天使スマイルに戻る叶



先ほどまでとの変わりように呆気に取られていると、叶は部屋の中に戻っていく



叶の手が離れたことで自動的に締まりそうな扉、おいて行かれちゃう
慌てて潤んでしまった目を擦りながら後に続いた



扉を閉めきちんと鍵を閉める



叶の方を向くと



「あれ？僕入ってきていいよなんて言ったっけぇ？」



と、ソファーに座りニコニコしながら言い放つ



たしかにそんなことは言ってないけどさ、さっきの涙がぶり返しそう



しかしすぐに叶は嘘嘘、こっちきなよと言いソファーの隣をぽんぽんと叩く



なんだか今日はいつもに増して意地悪が多いな、しかも結構傷つくやつ。



私は不服そうな表情を作りながら叶の横にぽすんと座った。

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