疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです【短編集】

神i田笑i一 4 ページ26

予想外の言葉と腰への痛みで頭が混乱する、先ほどまであれだけ回っていた私の口からは何の言葉も出ず、どういう意味？と目線で神田君に訴える



「A、私と別れるつもりでしょう」



いきなり別方向から核心を突かれえっ、と声が漏れてしまう
それは、そうだけど。逆に今の話で別れ話以外の取り方はない、よね？



おろおろする私を見てやっぱりね、とため息をつく神田君



「……足りない」



ものすごく小さい声で呟かれた言葉に聞き間違いかときょとん、とした顔をしてしまう。



そんな私にむけて神田君はいつものようににこにことした顔を浮かべた
まるで小さい子をあやすような態度に少しむっとする



「それだけじゃ、足りないんだよ」



やはり発された口調もとてもやさしい、しかしどこか棘を含んでいるように聞こえた気がした



いや、それより。足りないってどういうこと？何が？



私の表情に疑問符が増えたことを読み取ったのか神田君はまだわからないかぁ、と零す



「Aの好きはさ、私から離れられたら無くなっちゃう程度のものなんだよね？」



神田君が私に手を伸ばす、何をされるのかと体を強張らせたが、その手はさらさらと私の髪を撫で始めた



優しい手つきに思わず緊張の糸が緩められる

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