79.激昂 ページ38
・
『気持ち悪い』
その言葉を聞いた途端、彼の笑顔は消え去った
「？…Aが俺に反抗するなんて、面白いこともあるものだ、出ていく前は何を言っても頷く従順で可愛い子だったのに。
そうだな…まるで、心を持っているようだ」
ちょうど鬱様と総統様が写っているモニターを指さして言った
｢こいつらか…俺の従順な妹を歪めたやつは…｣
正常になったんだよ、と心の中で毒づく
反抗したはいいものの、ここからどうしようか全く持ってノープランだ
……
しばらくの無言の後、彼は閃いたように呟いた
｢あぁ、そうか…こいつらがいなくなればきっと可愛い妹も帰ってくるに決まってる…｣
不気味な笑みを浮かべたあとに何かを操作する音が聞こえた
『っ、待って！！！！』
モニターの中、沢山の兵士が向かう先は…みんながいるあのお城
…いや、違う、兵士じゃない
『…ロボット…？？』
｢ご名答｣
パチンと指をならして彼は続ける
｢っはは、面白いなぁ、帝国を潰すために送られたお前がのこのこと帰ってきたかと思えば、感情が芽生えてる｣
悪趣味な笑みに寒気がする。何か企んでる、面白いなんていいながら内心とても怒っているのね。
『何が、言いたいの』
｢お前が死ぬか、こいつらが死ぬか
もっともっと俺を楽しませてくれよ、俺の可愛い妹｣
『…私にどうしてほしいの』
｢いいねぇ、従順に戻ってきたじゃないか、俺の知ってるAに。
そうだなぁ、今ここでお前に死なれちゃぁつまらない。
もう一度あいつらのところへ帰り、お前があいつらを…殺せ｣
"殺す"…私が…彼らを…
そんなことしたくない…のに…
死ぬのが怖いと思っている自分すらいる。
私があれこれ考えている間に兄は立ち上がったかと思うと私に何かを取り付けた
『っ痛！』
｢可愛い首輪だろう？俺の傑作の研究品なんだよ｣
無機質な銀色の固い首輪、首にフィットして動くたびに苦しい。
昔から機械に秀でていたが、戦闘ロボットやこんな首輪を生み出すサイコ野郎だとは思っていなかった
｢無理に外そうとすればあのロボットのスイッチが入る、お前があいつらを殺せば外してやる。
ちなみにお前の生命活動が終わったことがわかればロボットは動かなくなる｣
『本当に最ッ低』
｢なんとでも言え、これからはお前が裏切り者の最低になるのだからな｣
恐怖か武者震いか震えが止まらない
あぁ、1人でなんとかできるなんて過剰な"自信"と"期待"を抱くから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1510人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなぐ＄an(プロフ) - すこすこのすこです！！応援してます！ (2019年7月6日 16時) (
レス) id: 0d52bdb036 (このIDを非表示/違反報告)
ふう - え?うつせんせおうぞく?え?じゃあにくしん? 凛月香さん頑張ってください!おうえんしてます! (2019年6月29日 9時) (レス) id: da15e78cef (このIDを非表示/違反報告)
凛月香(プロフ) - にあさん» どこがですかぁー…。でもありがとうごさいます！！私もびっくりしてます(( (2019年5月28日 0時) (レス) id: 7680aed55f (このIDを非表示/違反報告)
にあ - 文才の塊ですか。スパイとはびっくりしました！ (2019年5月27日 19時) (レス) id: 8ce9273717 (このIDを非表示/違反報告)
ロシス - 凛月香さん» 私じゃなくて、凛月香さんが神様なんです！こちらこそ、よろしくお願いします！！ (2019年5月11日 15時) (レス) id: 235877c413 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛月香 | 作成日時：2019年4月2日 12時
