69.敗北 ページ27
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gr「さて、もう一度だけ言う。
説明してもらおうか。」
爛々と燃える総統様の瞳は私を捉えて離さない
胸の奥からふつふつと湧き上がるものに蓋をして、悔しさから下唇を噛んだが、なんとか心を落ち着かせる。
『……わかり、ました。』
そこからぽつぽつと、私の過去を話した。
￣￣￣￣￣￣
王族、王である父のたった1人の娘。
お兄様や弟はいたが、女の子はいなかった。
あとから分かったのだが、王族では女児の産まれる確率は低いそうだ。
貴族や帝国なら、政略結婚にでも使える女だが王族からすると不必要なものでしかない。
最初の頃は溺愛されて育ったが、初等部へ通い始めた頃から周りの態度は変わった
その理由は簡単だ。
私は、完璧ではなかったからだった。
出来の悪い、要領の悪い子だった。
テストで悪い点をとったときはよく、暗闇に閉じ込められた。
模擬戦で負けたときは暗闇で、暴力を受けた。
周りからは見えないところに全て痣をつくられた。
泣いて泣いて、泣きまくっても、誰も助けてくれなかった。
中等部へ進学して、自分の存在を恨んだ。
私が私として生まれたことに悔やんだ。
そして悟った、私は要らないものだと。
高等部になってからは必死に努力した
努力して、努力して努力して、認めてもらいたかった。
そしてその結果、1位という称号を手にした。
ただ、もう遅すぎたのだ。
もう誰も、私には見向きもしてくれなかった。
そして、お父様に言われた。
お前はスパイになれ、と。
私の身体能力をかった判断だった。
王族であることは許されなかった。
完璧になれなかった自分を嫌った。
そこからは世界の様々な帝国にスパイに行き、女であることを使ったり、同情をひいたりして総統を取り入った。
数学よりも簡単だった。
情報を持ち帰り、それを周りの帝国に流し、その帝国を潰す。
罪悪感なんてなかった。
お父様から褒められることが私の生きがいだった。
そして今回も同じようにこの帝国を潰そうとした。
継母も、義姉たちも王族に雇われた、ただの演者だった。
私は虐められる可哀想な子になり、わざと気を引いた。
まさか、軍に住むことになるとは思ってなかったが。
ただ、一部だけ記憶が無い。
あの、幼い頃の約束。
ただ1人だけ、私に仲良くしてくれた男の子。
あの子だけ、思い出したかったなぁ…
それだけが心残りだ。
多分、1番辛い時期で記憶を封じてしまったのか。
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かなぐ＄an(プロフ) - すこすこのすこです！！応援してます！ (2019年7月6日 16時) (
レス) id: 0d52bdb036 (このIDを非表示/違反報告)
ふう - え?うつせんせおうぞく?え?じゃあにくしん? 凛月香さん頑張ってください!おうえんしてます! (2019年6月29日 9時) (レス) id: da15e78cef (このIDを非表示/違反報告)
凛月香(プロフ) - にあさん» どこがですかぁー…。でもありがとうごさいます！！私もびっくりしてます(( (2019年5月28日 0時) (レス) id: 7680aed55f (このIDを非表示/違反報告)
にあ - 文才の塊ですか。スパイとはびっくりしました！ (2019年5月27日 19時) (レス) id: 8ce9273717 (このIDを非表示/違反報告)
ロシス - 凛月香さん» 私じゃなくて、凛月香さんが神様なんです！こちらこそ、よろしくお願いします！！ (2019年5月11日 15時) (レス) id: 235877c413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月香 | 作成日時：2019年4月2日 12時
