【d!】忘失 (ページ39)

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38話ページ39

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「さて。
今回は、今年の1年から誰を生徒会に推薦するかって話をしようと思って集まってもらった」

我らが生徒会長、グルッペンの低音の声が、静かな部屋に響く。

窓をバックに腕を組むソイツ。黒い制服のジャケット。

ソイツを一言で言い表すなら、“悪人”

佇まいとか雰囲気がヒーロー向きじゃない。

そんなんやから子供に防犯ブザー鳴らされるんやで。

「早ない？まだ4月やで？」

「ロボロの言う通りや。
生徒会役員決めるのは9月頃やないん？」

そう。ロボロとゾムの言う通り、新生徒会メンバーが正式に決まるのは9月や。

なんで今、このタイミングで決めようとしてるのかが分からへん。

「なんか考えがあるん？」

俺が発言すれば、グルッペンは頷いた。

「俺は1年…も経ってへんけど、お前らと仕事しとって学んだんや。
夏にクソ面倒臭い仕事溜め込むより、先に一気にやった方がええ」

なんでや。めんどいだけやんけ。
夏にそない大変な仕事あった？

俺が聞けば、グルッペンは再度頷く。

呆れたような顔でこう言い放った。

「お前ら暑いと動かへんやんけ。寒くても動かへんけど」

あー…

そう言われれば、心当たりがあるような気ぃするなぁ〜…。

去年、生徒会に入ってすぐの9月はまだ暑くて、全員でクーラーの下にだらけて仕事せんかった気もする。

またそうなるよりは、確かに今やった方が効率的か。

それを全員が理解したらしく、話し合いを進める方向に。

「意見ある奴おる？」

「ショッピくんとチーノでええやろ？」

グルッペンの問いかけに、大先生が挙手して発言。

俺らと今1年の2人とは、知り合ってからそろそろ1年あるかないかくらい。

コネシマと同中だったショッピくん。
トントンと同中だったチーノ。

どちらとも信頼に値する人間だ。

誰も異論はないやろ。

「まぁ、それは決定やな」

「まぁゾム、一応形だけでも多数決しとこうや。もしかしたら反対もいるかもしらんし？」

「おらんやろ」

まぁおらんやろうな。

2人とはみんな仲ええし、反対挙げたとしてもふざけて挙げた時だけや。

俺挙げよかな。