【d!】忘失 (ページ12)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:33,541 hit

11話ページ12

.

｢Aー、おはよ｣

『玲奈か。はよ』

入学してから早数日。

前の席の子とは仲良くなれた。

玲奈は所謂“オタク”と言うものらしい。本人が言ってた。

暇さえあれば、ゲームやら何やらしているんだとか。

私もゲームはするが、戦略ゲームみたいなのが多い。

自分が戦うのもいいけど、ゲーム内で戦争させるのも悪くない…

玲奈とお互い共通の趣味はゲームくらいしかない。

何故、玲奈と仲良くなれたのかと問われれば少し返答に困る。

気づいたら近くにいて、話すようになっていた。

玲奈のいい点は性格だ。

このクラスに、彼女以上に素直で真っ直ぐな子は居ないだろう。

｢あ、Aさ、仲良くなった記念に今度遊び行かない？？｣

『へ…………？？
い、いいの……？私なんかで……』

｢何言ってんの。私の話に付き合ってくれるのAくらいしかいないしさー。
……嫌だったら、その…ごめん……｣

遊びに誘われるなんて、今世初なのでは。

小、中と過ごしてきたけど、正直遊ぶなんてことはあんまりしてこなかった。

遊ぶ相手がいなかったわけじゃない。

でも、暇な時間は全て自分の好きなことに費やしてたからなぁ……

『もちろん行く！ゲーセンならたまに行くから、ゲーム付き合えるかも……』

｢ホント！？！？！？！？
音ゲーしたい！あとAがよくやってるゲームとかも教えて！一緒にやろう！｣

『じゃあ、シューティングゲームにも付き合ってね』

｢もっちろん！！｣

日付を決めて、集合場所も決めて。
家に帰ってからはカレンダーに丸とか付けてみちゃって。

遊びに行く日までの数日間。

印をつけたカレンダーの日付を見てはニヤニヤする、気持ち悪い行動を繰り返していた。

自分でも気持ち悪いのは分かってる。

それを偶然見かけた母親にドン引きされたのは言うまでもない。