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君は 僕の前に現れた時から
Enchanted/リドル ページ4
何もかも異例だった
魔法が使えない 女の子
くわえて 初日から問題ばかり起こすし
エースやデュースたちと一緒になって
寮長である ボクに逆らってくる
許しがたくて 理解できない存在だった
けれど キミたちは
狭くて 苦しかった ボクの世界を広げてくれた
本当に欲しかったものをつかむ機会をくれた
たくさんのものをくれた キミたちには
言わないけれど すごく感謝してるんだ
ボクは初めて恋をした
きっかけは たった一度の キスだった
｢Aｯｯ!!｣
グリムたちとふざけて 足を滑らせ
階段から落ちそうになったキミを
慌てて引き寄せた時に 起きた事故
それだけだった それだけのはずだったのに
恥ずかしそうに 顔を真っ赤に染めて 俯き
それでも きちんとお礼を言った後 グリムを抱え
慌ただしく 走り去る キミを見てから
目が 離せなくなってしまったんだ
あの日以降 エース達と一緒にいる君を見て
エース達を 妬ましく思ったり
ふと 目が合って ボクに笑いかける
その笑顔が やけに愛おしく思えたり
自分が自分じゃなくなったみたいだった
キミの 表情や 仕草 １つ１つに 目を奪われる
きっと あの日 キミはボクに 魔法をかけたんだ
我慢なんてできない
｢ボクの気持ちを 伝えたら キミはどんな表情を するんだろうね…｣
想像するだけで 頬がゆるむ
A…キミに 会いたくて たまらない
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作者名：蒼 | 作成日時：2020年5月17日 9時
