プロローグ 〜再転生〜 ページ2
「＜
それは、終末の火。世界の一切をも滅び尽くす、第一魔王壊滅の暴君アルムの魔法。目の前の魔王は絶禍へ行ってきたようで、知らぬ間に恐ろしい魔法をまた生み出していた。
相変わらず馬鹿げた男だ、と顔を歪める。己とて第一魔王と二律僭主に対してケンカをするほどには強者ではあるが、彼の方が強かったのだろう。こちらは程なく滅びそうであるというのに、向こうはピンピンしている。憎たらしいほどにすました顔だ。
「エリル。お前ともあろう者がここで終わるのは惜しい。しかし、もう蘇生は不可能だ。よってお前に〈
ーーー好きに、しなさい…勝者はアンタよーーー
銀水聖海において、転生魔法は成功しない。それは歴史が証明している。いくら己が他世界から転生を果たしてきたとはいえ、いくらアルムとて成功する確率は限りなく低い。
されどアルムは勝者であり、己は敗者なのだ。敗者の意志など関係ない。だから従う。それだけだ。
ーーーありがとう、アルム。全身全霊で戦って死ねるのはとても幸運なことだわーーー
声を出せる余力はないが、〈
幾度となく転生を繰り返し、幾度となく世界を渡ってきた己の根源はボロボロだった。不可侵領海と恐れられた者の死因にしてはなんと笑えることか。
評価を気にする質ではないが、どうせ終わるのならば戦って終わりたい。力を出し切れる内に出し切ってしまいたい。そして、願いは叶った。
「〈
何かを伝えて戦ったわけではないが、この男には自分の冗談などお見通しだったらしい。己の根源はただ傷ついているのではなく、傷つき小さくなっている。癒せる類のものではないのだ。
再構築、という手段を取ったようだが、それもどうやってやるのか…。まあありとあらゆる魔法に精通する男だ。不可能ではないだろう。
そこまで思い、微かに微笑んだ。必ず成功させるのがこの男だ。
ーーー別にいいわ。…ありがとうアルム。ノアにもよろしく伝えておいて。私がもどるまでくたばるなってーーー
「約束しよう」
その言葉をきっかけに、視界は純白に染まった。
そうして、銀水聖海から一人の不可侵領海が消えていった。
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まくすうぇる(プロフ) - アルパカさん» コメントありがとうございます。励みになります😊不可侵領海の名は伊達じゃないですね…！ (2023年4月10日 18時) (
レス) id: d0b3ca0e89 (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - エリル強い。流石だ。無理せず更新頑張ってください！ (2023年4月9日 19時) (レス) @page12 id: ed35c69c25 (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - あはは…。自分今受験シーズン真っ只中なので、時々しか見られませんが、これを楽しみにもうひと踏ん張り頑張ろうと思います。 (2022年12月27日 16時) (レス) id: ab43b473cb (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - アルパカさん» あばばばば…正直ネタとして置いていたようなものですがこれからチマチマと書こうかと思います。まおがくファンにお会いできるとは嬉しい限りです。 (2022年12月26日 7時) (レス) id: d0b3ca0e89 (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - 最高です。こういうのを待っていました。まおがくの夢小説は少ないのでとてもうれしいです。更新頑張ってください (2022年12月25日 12時) (レス) id: ab43b473cb (このIDを非表示/違反報告)
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