【K組】ナンパしてきた男は警察でした【萩原研二】

愛子の発言 ページ7

「A。本当にあの人苦手なんだね。」

「あの人が苦手なんじゃないの。ああいう女を取っかえ引っ変えしてるような一夫多妻系のナンパ男が嫌なの。」

「ふーん。じゃあ私のことも嫌なんだ？」

隣を歩く愛子は、分かりやすく拗ねた表情になる。

「なんでそうなるの。」

「だって、今Aが言ったのに私当てはまるじゃん。」

「あー、男を取っかえ引っ変えしてるような一妻多夫系の逆ナン女？」

「はっきり言うのやめろし傷つくわ。」

「だったらやめな。」

「やめなかったら？」

「は？」

「やめなかったら嫌いになるん？」

今更だが、愛子は普段結構明るい性格。私をからかって遊んでは永遠に笑ってるような子だ。
そんな愛子が弱ってるもんだから、つい悪戯心が芽生えた。

「ﾌﾟｯ…拗ねてんの？」

「拗ねては無いけど！なんか…うん。」

「嫌いになるわけないでしょ？てか嫌いになる方が難しいね。」

「逆ナン女なのに？」

「だからだよ。」

私は愛子の目の前に立ち止まり、ため息をつく。

「何があるか分かったもんじゃないから、守る人が必要でしょ？放っておけないのよあんたは。」

すると愛子は目をぱちくりさせて少し笑う。

「A…。あんたなんで女に生まれてきたんだろうね？神様が性別間違えたんじゃない？」

「は？」

「きっとそうだよ。だって今のセリフ、男の人に言われてたら惚れてたもん。」

「男じゃなくて悪かったな…。」

「めちゃくちゃかっこいいわ…。てかもういっそ彼氏になってよ。性別転換してきてよ、お金は出すから。タイに行こうよ。」

「目がマジだよ愛子。怖いって。」

いきなりペラペラ話す愛子に苦笑いをするが、愛子は止まることを知らない。

「もうAが男だったら良いのに！そうだ、男モンの服探しに行こーよ！！大丈夫！あんたの胸なら隠せるよ！！ね！」

ついに言ってしまったそのセリフに、私は怒りが抑えられなかった。

「監ｷﾝして逆ナンできないようにしたろか……。」

「イケメンに監ｷﾝされるならぜひ。」

「………。」

友人の新しい一面が見えたことは喜んだ方が良いのだろうけどこれは呆れという感情しか湧かない。

最後の発言については後日しっかり説教をした。改める気は無いらしいのでどうしようかな。(コメントにて募集)

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