世界で一番幸せ ページ26
その後、チームQ4を上位4人で組むと発表され、みんな驚いた後この大会は終わりを迎えた。
アイチくん、櫂くん、カムイくん、ミサキさんに一通りおめでとうを伝えていると、櫂くんに腕を掴まれた。
「A、この後時間はあるか?」
「あ、うん…」
きっと、今日私が途中でファイトを投げ出した理由を聞かれるんだろうな、と察しどう返答するべきか悩んだ。
三和くんみたいに全部話してしまった方がいいのかも...?
...でもやっぱりまだ怖い。
すると、三和くんが私の気持ちを察してくれたのか、櫂くんの腕を掴んで言った。
「櫂、今日Aは体調が悪いんだよ。また今度にしてくんね? 今日は俺が家まで送ってくからよ！」
「...わかった。」
それで、櫂くんは手を離してくれて、そのまま1人で帰っていった。
「ありがとう、三和くん。」
「いや、どうってことねぇよ、いつか櫂にも自信もって話せるといいな！」
「うん...」
その日の帰り道は、手を繋いで帰った。
三和くんの手は暖かくて、それに私より1回りぐらい大きくて、力強かった。
「じゃーな、また学校で会おーぜ!」
「うん、またね」
「…いや、やっぱ迎えに行くわ」
「え?」
「ほら、だって俺、Aの彼氏だし?」
「なっ…!!」
一気に顔が赤くなるのがわかった。
改めてそう言われると、心が跳ねてむず痒い。
私は三和くんがやっぱり大好きなのだと改めて実感させられているようで、恥ずかしさが勝ってきた。
「あー、アリガトウ! マッテルヨ!」
私、ちゃんと返事出来てないな!?
「ははっ、かーわいー」
彼はそう言って、私の頬を撫でる。
「かっ、かかっ…!!」
オーバーヒートしそうな私を見て、三和くんの猛攻は一旦止まったらしい。
「じゃーな! 明日待ってろよ〜」
三和くんが少し遠ざかるまで手を振って、角を曲がっていった所で家に入った。
ドアを閉めて、さっきのことを思い出す。
(そっかぁ...彼氏かぁ...)
その言葉だけで興奮してくるのがわかった。
長年の思いがやっと実った。
ずっとずっと好きだった人が、『彼氏』という位置づけになったのがたまらなく嬉しい。
(今日は良い夢見れそう...)
私は今世界で1番幸せかもしれない。
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作者名：みっちゃん | 作成日時：2017年4月5日 0時
