【utit】坂田さん、私、坂田家なんですが、すみません。今日、死にますね【tnrnskt.】

死ぬまで残り２０分 ページ11

実はのあと、まだ言うのをためらっているのかそのあとの言葉を言わないにぃちゃん。
握っている手が震えているのが分かり、僕はギュッとにぃちゃんの手を握った。
にぃちゃんは驚いたような顔をしていたけど、手の震えは止まっていて、少し安心したような顔に変わった。

「･･････一番酷かったのが高校だったんです」

『･･･そうなんか』

「中学も色々と迷うことがありましたが、高校が一番病んでました。なんで自分は生きているんだろう。なんで自分には才能がないんだろう。なんで自分はこんなにも中途半端なのだろうってずっと考え込む日々だけが続いてたんです」

『中途半端？』

「･･････死にたい･･････でも、どんなに死にたくてもなんにも行動が出来なくて。生きたいというには希望がなくて、なんにもしなくて。色んなことが中途半端で。もう嫌で。なにもかも放棄したかった。それが高校でした」

【･･･暗くて、人見知り･･･自分の意見すら、ろくに言えない･･･そのせいで、いつも人のことを怒らせてしまう。だから、絶望してしまったんです】

そんなことをさっき言っていたのを思い出した。
自分は人の怒る材料にしかならない、そう思って生きてきたのかもしれない。
色んな人が、皆が努力して成長している中、なんで自分はこんなことしか出来ないんだろう。
なんで自分は足を引っ張ってばかりなんだろう。
浦島坂田船を始めた頃、そんなことばかりを僕は思っていた。
でも、３人が支えてくれて、同じ舞台に立つことを許してくれて、練習にも付き合ってくれた。
まふやそらるさんだって、励ましたり、息抜きにっていってよくゲームに誘ってくれたりした。
そんな人達が僕はいたから、周りの人に恵まれていたから頑張れたけど、にぃちゃんは？
ずっと一人で頑張ってた？
ずっと一人で抱えてきた？
そう考えていると、僕の目からは大量の涙が溢れてきた。

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