40、不機嫌な声音 ページ41
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和『…それでさ、頼みがあるんだけど』
「…ん、何」
和『晩飯。…悪いんだけど』
「それは全然いいけど、何かﾘｸｴｽﾄある?」
和『んじゃ、ハンバーグ』
「え、……それ昨日と同じ」
下準備しておいたタネを焼いて、大分遅い時間の晩御飯。
大袈裟なくらいに褒められて、嬉しいを通り越して戸惑ったのはつい昨日のこと。
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「ほんとにハンバーグでいいの？」
和『俺が好きだし、ハンバーグ。昨日のは毎日でもいいって思ったね』
「普通のハンバーグなんだけど…」
和『普通が一番いいんじゃん。妙に凝ったやつよりさ』
淡々と語るカズにハンバーグは似合わないけど…。
合致しないｲﾒｰｼﾞにだんだん笑いが込み上げてきた。
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「ハンバーグか…。似合わないね(笑)」
それで何人くるの?
そう訊いたけど、返事が返ってこなくて。
怒ったかな…って少し焦る。
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「…え、っと」
和『4人』
急に低くなった声。
感情も何も読み取れなくて。
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「…分かった」
和『…んじゃ、よろしく』
そそくさと切れた電話。
息を吐いて、こっちも通話終了ﾎﾞﾀﾝを押した。
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何なんだろ、･･･…あの人。
心配してくれてると思ったら、途端に素っ気なくなった。
別に、優しさを期待してる訳じゃないけど…。
不機嫌そうな、そんなカズの声が渦巻く。
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冷蔵庫の中身を確認して、朝磨いたｼﾝｸにぼんやり自分が映る。
気づけば仏頂面。
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「(…何で膨れてんの、私)」
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パシっと頬に活を入れて、纏めてた髪を解いた。
今は足りない食材の調達に行かないと。
必要な物を手にとって、最後に鍵を持つ。
ふとカズの顔が浮かんで、連想を消すようにｸﾙﾘと鍵を回した。
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作者名：結衣花 | 作成日時：2013年9月16日 13時
