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08. どうして? ページ10

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「……蓮?」
「ん? どうしたんだ?」
「教室が……血が……っ」
「あぁ、これ? 別に気にすることないよ」

……気にすることない? どうしてそんなこと言えるの?

「なんで、そんな普通なの……?」
「なんでって……」

蓮はふっ、と笑う。

「そんなの決まってるだろ」
「え……?」
「俺が殺ったからだよ」
「……っ!?」

――『俺が殺った』?
どうゆうこと……? これは、蓮がしたっていうの……?
そんな、嘘だよね。冗談だよね……。

「嘘、だよね……?」
「本当だよ」
「――っ!」

なんで? どうしてこんなこと……

「なんで、こんなこと」
「約束を破ったからだよ」
「約束……?」
「あぁ、約束を破ったからだ」
「……どうゆうこと?」
「最近、皆がAを無視してただろう?」
「う、うん」
「それは、俺が無視しろって言ったんだ」
「……!」

蓮が、蓮がしたってことは本当だったんだ……。
でも、でもどうして? なんで、蓮が……?

「なんで……?」
「なんでって」

蓮は笑う。

「A、お前を一人ぼっちにしたかったからだ」
「え……?」

私を一人ぼっちに? なんで?

「なんで……」
「お前が学校で一人になって俺を頼ってくる」
「……っ」
「お前は俺以外の人には頼れなくなって俺しか頼れなくなる。そうなって欲しかったからだよ」
「……っ、なんで」
「俺はAのことが好きだ」
「……うん」
「だから、お前の周りにいる人達が許せなくなった」
「えっ……」
「お前が俺以外の人に向ける笑顔や見たことない表情、……許せなかった」

……まって、頭が追いつかない。
やめて、それ以上言わないで。嫌だ、もう聞きたくないっ……!

「そして、皆はお前を無視することをやめた。だから殺した」
「――やめて!!」
「……!?」
「それ以上言わないで!」
「なんで?」
「どうして皆を殺したの! なんで、なんで殺したの!!!」
「邪魔だからだよ」
「っ、もう蓮なんか大っきらい!!!!!」
「あ、まって」

――逃げなきゃ……っ。

私は走る。蓮の声も聞かずに。
走って、走って、蓮から逃げる。

……どれくらい走っただろうか。気がつけば見たことのない場所に着いていた。


**next

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- すんごい面白かったです! (2018年8月31日 21時) (レス) id: 6670beebf5 (このIDを非表示/違反報告)
rio@リナ(プロフ) - いろいろ忙しくて、しばらく更新できませんでした。すみません。そして、今まで読んでくださってありがとうございました! (2015年9月29日 18時) (レス) id: 8ef7d52d8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナ | 作者ホームページ:ナナ  
作成日時:2015年1月17日 15時

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