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「い、た…」
先程鬼に噛まれた左肩を押さえる。じわり、と羽織に血が滲んだ。
(これは…蝶屋敷へ行かないと…)
重い体を引きずって、私はどうにか朝七時を迎える頃に蝶屋敷へたどり着いた。
「水澪さん!また怪我をされたのですか?!」
私の名前を叫んだアオイさんに支えられ、病室のベッドに向かう。横になったところで、私はアオイさんに笑いかけた。
「ありがとうございます。痛み止めをもらってもよろしいでしょうか?」
「今回は痛み止めだけではだめです。しのぶ様をお呼びいたします、少し待っていてください」
そう言って、アオイさんは足早に病室を出て行った。私はひとつため息を吐く。
これでしばらくは任務に行けなくなった__もっとも、次の任務があるかどうかはわからないけれど。
ずきんと痛んだ傷口に、「う」と顔を顰めたところで、蟲柱様が「大丈夫ですか?」と言いながら病室に入ってきて、私のベッドの隣にある椅子に腰を下ろした。
「随分と深いようですね。治るのには一週間と言ったところでしょうか…水澪さん、まだあの危険すぎる戦い方を続けているのですか?」
蟲柱様の、呆れと怒りが混ざったような声に、私は「申し訳ありません」と謝った。はぁ、と息を吐く蟲柱様。
「水澪さん、あなたの心情が理解できないわけではありません。あなたと私の鬼との戦い方は類似しています。しかし、あなたの場合は怪我が多すぎる。やりすぎです」
蟲柱様はそう言って、持ってきた薬を袖机に置いた。
「私は今日柱合会議がありますからここを離れますが、一日三回、食後に必ず飲んでください」
私が頷くと、蟲柱様は「それと」、と言葉に少し力を込めて続けた。
「任務に復帰したら、なるべく今の形での鬼との戦闘は避けてくださいよ」
病室を去って行く蟲柱様に、私は「申し訳ありません」と、心の中で謝った。
___申し訳ありません、蟲柱様。今の私には、もう昔の戦い方は出来ません。
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ゆうきりさ(プロフ) - ツナミカワさん» ご指摘ありがとうございます!キャラの名前を間違えるとは…本当にすみませんこの駄作者…!直しますね! (2020年9月27日 7時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 序章から申し訳ないですが富岡の漢字違いますよ正確には『冨岡』です (2020年9月26日 23時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうきりさ | 作成日時:2020年8月22日 17時