何でそんな赤くなってんの?*アサクサ影向道四郎1 ページ8
Side道四郎
「道四郎〜?いる?」
「うわっ?!」
脱いだTシャツを拾うより早く襖があいた。
「あ、いたいた。悪いんだけどあさって予約いれてくれない?友達がどうしてもここの蕎麦食べたいって言うからさ!」
「〜あんた…入る前に声かけろって何回言ったらわかるんだ!」
古い蕎麦屋の2階。
我が物顔で襖をひらいたのは俺が所属する草野球チーム・鬼瓦ボンバーズのマネージャーのAだった。
働き者で気が利くって甚さんは言うけど俺に気を遣ってくれたことなんか1回もない。
今だって、勝手に人ん家にあがりこんでこの態度だ。
「道四郎の部屋に入るのに何で声かける必要があるのよ?」
「必要あるだろ!現に俺は着替えの真っ最中だったんだからな!まだ上脱いだだけだったからよかったものの裸だったらどうすんだ!」
「道四郎の裸なんか見慣れてるよ。練習の後、よく上半身裸で水かぶってるじゃん。」
「そーゆー問題じゃねぇの!」
それとこれとは話が別だろ!
「だいたい、そんなの見たって何とも思わないっての。弟の裸見て動揺するお姉ちゃんなんていないでしょ?」
肩をすくめるAの言葉が小さな棘になって心を刺す。
『道四郎は弟みたいなもんだから!』
いつしかできあがった関係性。
実の姉弟でもないのにAは出会った時から俺のことを弟扱いしてやがる。
「あのな、俺はモラルの話をしてんの!親しき中にも礼儀ありって言葉知らねぇのかよ!」
「あら?お子ちゃまが難しい言葉知ってますね〜?偉い偉い!」
悪びれもなく俺の頭を撫でる小さな掌に思わずカッとして、乱暴にその手を振り払った。
「だから!子ども扱いすんな!」
クソっ!このセリフ自体すげぇ子どもじゃんか!
「はいはい、道四郎はもう大人でしたね〜!」
なんてケラケラ笑うAは絶対そんなこと思ってなくって…
「何だよ…」
あんたより年上だったら、甚さんや正さんみたいに接してくれたのか?
裸を見たら赤くなってくれた?
簡単に頭なんか撫でなかった?
弟じゃなく男として見てくれた?
「俺、あんたの弟じゃねぇから。」
「わっ?!」
一瞬の隙をついて掴んだ手首は想像以上に細くて思わず息をのんだ。
こんな腕でボール籠持ったりでかいキーパー運んだりしてたのか?
こんな…折れちまいそうな細い腕で?
何でそんな赤くなってんの?*アサクサ影向道四郎2→←夏祭り*ヨコハマ左馬刻2
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☆kon☆(プロフ) - 蒲公英さん» コメントありがとうございました!ときめいていただけて嬉しいです(^^)左馬刻様は多くを語らず愛を伝えてくれると思いこんな感じになりました!よかったら、今後もご覧ください(o^^o) (2021年10月5日 22時) (レス) id: 3782f3d41e (このIDを非表示/違反報告)
蒲公英(プロフ) - 色っぽくて、夢主ちゃんを想う優しい心にもドキドキして…とってもときめきました!!夏のうだるような熱い空気のなか、二人を包む甘い世界が素敵でたまりません!ありがとうございます!! (2021年8月28日 20時) (レス) id: 82e4cd4c6f (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - 白虎・白狐さん» コメントありがとうございます!感想いただけてとても嬉しいです(*^^*)今後もゆっくりですが更新していきたいと思いますので、ぜひご覧ください! (2021年8月26日 23時) (レス) id: 3782f3d41e (このIDを非表示/違反報告)
白虎・白狐 - konさん、初コメント失礼します!とても良い作品でした!これからもがんばってください!応援しています! (2021年8月24日 23時) (レス) id: b80ffe6913 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kon | 作成日時:2021年8月1日 14時