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少し早い時間での集会。
それに向かう途中に、鳴り響いた消防署の鐘。
「学校の方じゃねぇか」
イヌピーと遠回りして武蔵神社に向かうことにした。学校を通る道のりは少し距離があるがまだ集会までには時間がある。
隣でAの話をしているイヌピーを半ば無視しながら歩いていると学校までいつのまにかついていた。「裏山で火事だって」と他の生徒たちが騒いでいる声が俺とイヌピーの耳に入る。
「………嘘だろ」
「なあココ。Aって、」
「…………A」
自分でも死ぬうちにそう呟いていた。
イヌピーに「総長に遅れるって連絡しとけ！！」と吐き捨てると、地面を蹴っていた。校舎の裏手に裏山に行ける出口がある。
そこを抜ければ嫌でも鼻につく燃える炎の匂い。
脳裏に浮かぶのはイヌピーの家が火事に遭った昔の記憶。
ーーー"赤音さん"
「………………A！！」
消防士の奴らに「危ないから近づかないで」と止められても居ても立ってもいられなかった。押しのけるように足掻いて「俺が助けねぇといけねぇんだよ！！」と暴れまくる。
何度もアイツの名前を叫んで「お前までいなくなるのかよ！！！」と燃え盛る裏山の炎に訴えた。結局鎮火するまでの間近づくことさえ出来なかった。すぐに消えたとはいえ、もっと前から燃えていた裏山。
嫌なことしか頭に浮かばなくて冷や汗が出る。
「ーーー九井くん？」
不意に聞こえてきた声に顔を横に向ければ、そこにいたのは少し頬に黒い汚れがついたAで。
年寄りくせぇ帽子と軍手をつけた馬鹿な女が「集会行ってないの？万次郎に怒られちゃうよ」と呑気に笑っていた。
「えっ」
「………てめぇ、マジでぶっ殺すぞ」
抱き寄せて抱きしめれば、ソイツは素っ頓狂な声をあげる。クソ、マジで焦ったわなんて口にすれば「よもぎ食べる？」とアホなことを抜かす。
「こ、九井くん。そろそろ離してもらえますか。心臓が口からまろび出そう」
「………無理」
骨が軋む音がするぐらい強く抱きしめる。
彼女は「痛い痛い！」と笑っていた。体を離せば顔を赤くして「言ったでしょ私は居なくならないって」と歯に噛んだ。
………何でだ、いつからだ？
お前が赤音さんに見えなくなった。似てるってずっと思ってたのに。けどよ、もう見えねぇんだよ。
「……………ほんとむかつくわてめぇ」
初恋だとか赤音さんだとか関係なく、欲しくなっちまった。
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ちえ - 私の最推しのイヌココが出た時はギャーギャー叫ばすにはいられませんでした (2021年11月2日 18時) (
レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！あああもう好きっっ (2021年10月12日 23時) (レス) @page37 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 更新ありがとうございますぅぅやばいです！ようやくデレ九井くん登場でドキドキが止まらないのともう場地さぁぁぁんって気持ちで溢れて続きが気になりすぎます！！！、 (2021年10月12日 22時) (レス) @page37 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - 場地さんんん切ねぇ😭更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 22時) (レス) @page27 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - うわぁめちゃくちゃ続き気になるっ更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 17時) (レス) @page25 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作成日時：2021年10月3日 14時
