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いつのまにか足もとに鬼の手。
その手は私の足首を掴むと、地面の中に引き摺り込もうとした。どういう原理だこれ、と思いながら胸から煙玉を取り出す。
思いっきり地面に叩きつけ、煙を巻く。
それと同時にズボッと体に地面に埋まった。このままでは完全に鬼の手の中に収まってしまう。やっぱり短刀だけでも持ってた方がよかったなぁと後悔した。
「悪いけど、私鬼殺隊辞めるまで死ねないから」
「お前、鬼殺隊なのかい?!」
「うん、悪いけど悪鬼滅殺ってね」
全集中で、まだ埋まっていない腕を使い思いっきり地面から出る。いや本当これどういう原理なの??
立ち上がり、一息つく。
姿を現した鬼が私を睨みつけ、そして攻撃を仕掛けてきた。それを避けていく。杏寿郎の到着はまだか。彼が私の日輪刀持ってるから今の私丸腰すぎるんだよ。
「これでどうよ!!」
「………わ、危ない!」
「……あんた、女なの?!なんで、女なのよ!」
女で悪いか、この男たらしめが。
攻撃があたり、男に扮装していたヅラが取れた。ハラリと宙をまう長い髪、着物の胸元が切れサラシが顔を出した。
男を喰らうのがどうやら鬼の嗜好らしい。
ていうか杏寿郎はまだ??遅すぎるんじゃないの??もう煙玉撒き散らしてからどれだけ時間経ってるんだ。そろそろ丸腰で鬼を相手するのも限界だ。
「ーーーA!!待たせた!受け取れ!」
「杏寿郎……!」
投げられた日輪刀を手で掴んだ。
あれ、私の日輪刀の柄ってこんなに太かったっけ。腕を下げて、投げられたそれを確認すれば私の愛刀ではなく、焼き芋。
「こんなんでどう闘えって言うの!!!」
「すまん、間違えた。先ほど焼き芋屋を見つけてな!!」
「だから遅れて来たのか!!」
私のやる気以前に、杏寿郎のやる気はどうなってるんだろう。交換するように焼き芋を投げ返し、そして日輪刀を受け取る。鬼を挟んで杏寿郎と立ち、「どっちが鬼の首を先に取れるか勝負ね」と刀を構えた。
「……炎の呼吸、」
参ノ型 気炎万象。
そして杏寿郎は壱ノ型不知火。前後から炎の呼吸がぶつかり合い、大きな爆発を起こした。
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夕憑紅(プロフ) - あの、お話自体を否定しているようで申し訳ないのですけれども、呼吸の色とかは、実物では無かったと、漫画にで書いてあった気がします。 (5月8日 17時) (レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時