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たくさんの白いタオルを持って居間へと入っていく。一枚一枚畳んでいると、千寿郎が慌ててやってきた。僕がやりますとこちらに駆け寄ってくる彼に首を横に振った。



「これぐらい私にだって出来るよ」

「せっかくの非番ですので……」

「非番というか謹慎なんだけどね」

「またですか?」



理由はもう聞かないで欲しい。
一緒に畳むと言い出した千寿郎は私の隣に座ると同じようにタオルを畳んでくれた。それが終わると、千寿郎と一緒にお茶を嗜む。


日差しが暖かい。それに加えて、一仕事した後のお茶と茶菓子は最高だ。ウトウトとしている千寿郎を眺めて「眠いの?」と頭に手を伸ばす。



「い、いえ…!」

「あはは、遠慮しないで。いつも屋敷のことやってくれてるんだから。……ありがとう」



たまにはゆっくりしようか、と小さな手を握って日の当たる部屋に入っていく。畳の上に転がって、お昼寝しようと誘えば、顔を赤くして首を振った。


多分遠慮してるんだろうなぁ。

物心つく前に瑠火さんが他界し、母親に甘えるということも出来なかった。槙寿郎さんは見ての通りだし、杏寿郎は任務でなかなか帰ってこれない。私だってこれでも一応鬼殺隊での階級は上の方であって、忙しい身である。


体を起こして、流していた髪を横で束ねた。
膝を数回叩いて、「千寿郎、おいで」と微笑んだ。



「恥ずかしがる必要ないよ。私に存分に甘えて」

「…………」



少しずつこちらにやってきた千寿郎が私より小さな体で抱きしめてくる。あぁ、可愛いなぁほんと。杏寿郎と同じ髪質髪色のそれに触れて優しく撫でる。数分後、私の膝で寝息を立てた千寿郎は深い眠りについていた。


それを見ていると、つい私の方まで眠気に誘われてしまう。うたた寝をしている間に、私も千寿郎と同じように夢の中に入って行った。


数時間後、目を覚ませば、畳の上で千寿郎と一緒に寝ていて、体には冷えないように薄手の布団が掛けられている。まだ目を覚さない千寿郎を寝かせたまま、居間に入っていく。



「なんだかんだ言って、息子は大切なんですよねぇ」

「……なんのことだ」

「いいえ。なんでも」



ニコリと笑顔を浮かべれば、どこかバツが悪そうな表情をした彼。目の前にお酒が置いてあるものの手をつけていない。そんな槙寿郎さんに、「お酒やめて向き合ってください」と小さくつぶやいた。


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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱継子   
作品ジャンル:アニメ
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夕憑紅(プロフ) - あの、お話自体を否定しているようで申し訳ないのですけれども、呼吸の色とかは、実物では無かったと、漫画にで書いてあった気がします。 (35分前) (レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年12月4日 20時

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