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「やりすぎなんだよ」
「すみません。お詫びに鬼殺隊辞めます」
「それは許さん!」
隠の後藤さんに怒られた。
建物半壊。しかし死者、負傷者共にいない。それは杏寿郎が先回りし、近くの人たちを非難させていたからだった。
こんな狭い路地裏で、二人同時に炎の呼吸を使用すれば爆発し建物に被害が行くのは考えればわかっていた。考えていれば、の話だけど。
「御館様に報告してもいいよ。今までの罪と一緒に鬼殺隊辞めれそうだし」
「何犯したんだよお前」
「森に鬼が出た時には森林伐採と森林火災、川に鬼がいるとわかった時には小さな川を大きな川に広げ、今回は建物半壊」
私も一種の問題児であった。
毎度ながら何か大きな成果をあげてもそれと共に問題を起こして帰るから、私を育てている杏寿郎は毎度怒られているらしい。
それは後の問題として、爆発か起きたせいで、私と杏寿郎、どっちが鬼の首を取ったのか勝負の行方がわからなくなった。畜生、鬼の討伐数ですら彼の足元にはまだ及ばない。
「つーか、すげぇ格好になってんな」
「あっ、忘れてた。見たな、後藤さん。変態め」
何か服、ない?と問えば向こうに前田がいるらしい。あの人に頼んだところでどえらいもんしかくれないからいい。
男に扮装する際に隊服を置いて来てしまったから、手元にもない。帰るまでこの格好かぁ…とボソリを落としていると体に見知った羽織がかけられた。
「杏寿郎」
「つけているといい」
「ありがとう。でもいいよ。これは杏寿郎のだし」
代々炎柱から受け継がれている羽織。
煉獄家の娘でもなく、ましてや炎柱でもない私がこれを身につけることは許されない。
杏寿郎に羽織を返す私を見ていた後藤さんが自身の上着を脱いで「じゃあこれ貸してやるよ」と言った。じゃあ遠慮なく、と受け取ろうとすれば肩を掴まれ無理やり杏寿郎の方を振り向かせられた。
羽織でぐるぐる巻にされてしまう。
「これで良し!!あとは隠に任せ、俺たちは帰るぞ!」
「ねぇ、羽織大丈夫だってば。後藤さんの借りるから」
「だめだ!!もう羽織の話はお終いだ。帰るぞ!!」
「人の話聞けよ」
きっとこれ以上私の言うことは絶対に聞かないだろうから、諦めて後藤さんに上着を返した。隠に後処理を任せ、二人で歩いていると街の人が「ありがとう」と震えながら伝えてくれた。
「無事で何よりです」
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夕憑紅(プロフ) - あの、お話自体を否定しているようで申し訳ないのですけれども、呼吸の色とかは、実物では無かったと、漫画にで書いてあった気がします。 (5月8日 17時) (レス) @page2 id: 2500c6590e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ ま ね 。さん» コメントありがとうございます。やはり不死川さん好きなので、なにかと絡み入れたくなるんですよね笑夢主ちゃんは風柱のことを「おはぎ柱」と呼んでるんで、毎回この流れになってます笑 (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。執筆の励みになります!出来るだけ毎日更新していくのでよろしくお願いします! (2020年12月5日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - おはぎ柱で爆笑しました笑笑 更新楽しみにしてます! (2020年12月5日 8時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - ほんとうにほんとうに美桜さんの作品がすきなので続きが楽しみで仕方ないです…。わくわくして待ってます!! (2020年12月5日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年12月4日 20時