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「お父さん、どこに行くの?」

「今からな、父さんの友人の屋敷に行くんだよA」



あれは物心がついた頃、……そう4歳ぐらいだっただろうか。

初めて父に連れられてやってきたのは、大きなお屋敷だった。父と長年の付き合いだという友人に会うのはそれが初めてだった。


当時人見知りだった私は、初めて会うその人たちに少し不安を感じていた。お屋敷の中に入り、父と一緒にその人に会う。


廊下を父の後ろを歩きながら進めば、「父上!」と走ってやってくる父の友人によく似た男の子。私はすぐに父の後ろに隠れて、袴を握っては少しだけ顔を覗かせた。



「杏寿郎、私の友人とそのお嬢さんだ。仲良くしてやるんだ、いいな?」

「はい、父上!」



父に背中を押されるも、出て行くのが怖くてぎゅっと隠れたままでいると、その子は私に近づいてきた。

珍しい明るい髪はどことなく炎を連想させる。


手を差し出し、「俺の名は煉獄杏寿郎!」と自己紹介をして来る彼に私は失礼にも父の後ろから出てこれなかった。



「ーーー杏寿郎くん、娘は過度な人見知りでな。ほら、A、出てきなさい」

「………A、……名はAと言うんですか?」

「あぁ、そうだよ。ぜひ仲良くしてあげてほしい」



私に代わって、父が彼に紹介する。

父の後ろに隠れたままでいると、いつのまにか彼は私のすぐ横にいた。驚いて小さく叫ぶ私に、「あちらに俺の可愛い弟がいる!一緒に行かないか?」と誘ってくれた。



「………い、行かない」

「そうか、じゃあ行こう!」

「えっ、えっ?」



手を掴まれ、廊下をひたすら走る。
私とは違って胸を張って走る姿が、何故か私には眩しく思えた。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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るる - 読んでる途中に目から水が、、、、、、、、 とってもいい作品でした!!!!!! (7月25日 14時) (レス) @page50 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 初めまして!涙なしに観れませんでした… (2021年9月26日 18時) (レス) @page50 id: fb083d1d07 (このIDを非表示/違反報告)
名無し12758号(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます…!一話目から引き込まれて全て読みました、鼻水まで出してみっともない泣き顔で読んでしまいました…笑笑映画でもボロ泣きしましたがこれでも号泣してしまいました、素敵な話が読めて良かったです。本当にありがとうございます! (2020年11月23日 19時) (レス) id: 3be706ff9b (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 初めまして!このお話を深夜に見かけ一気に読みました。映画でも泣きましたが、このお話も号泣でした。素敵なお話ありがとうございます。何度でも読んでしまいそうです。 (2020年11月23日 2時) (レス) id: b7bf575f91 (このIDを非表示/違反報告)
raaaaaaam(プロフ) - 初めまして!私も一気に読み、深夜なのに号泣笑 隣に寝てる子供が起きるぐらい泣いてしまいました笑 煉獄さん、、最高!素敵な夢を見させて下さりありがとうございます(T_T) (2020年11月20日 4時) (レス) id: c6906907ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年10月26日 20時

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