検索窓
今日:3 hit、昨日:17 hit、合計:562,055 hit

22 ページ23

*



「不死川さんは姉ちゃんのことが好きなの?」

「ーーーは?」



それは風門の屋敷にやってきて、隼人と双六をしていた時だった。急にそんなことを聞いてきた隼人は目の前の双六に夢中になりながらも、どこか真剣そうだった。



「だって、俺の姉ちゃん性格すっごい良いし、見た目も普通に可愛いし、結構いい寄られること多いからわかるんだよね」

「………マセガキが」

「姉ちゃんよりか敏感だよ。で、好きなの?」

「一度欲しいと思ったら、もう引き返せねぇわァ」



風門より色恋に敏感そうな隼人は「やっぱりねー」と呟きながら双六を進める。「姉ちゃんには幸せになって貰いたい」と呟いた隼人は姉想いのいい弟だ。


常に動いていた手が止まって、視線が違う方を見る。その先には庭で洗濯物を干している風門。



「姉ちゃんのどこを好きになったの?」

「…………些細なことで人間、惚れちまうもんだ」



初めはお館様のご子息に対し「おはよう」と敬語を使わずに話していた様子を見て、無礼者だと思った。だが、風門のその態度はご子息たちにとっては嬉しいものだったようだ。


それに俺に対しての態度だ。

鬼殺隊最高位【柱】。加えて、風柱の二つ名を持つ俺に、他の剣士は妙に怖気つく。だが、アイツは違った。俺みたいな奴を「優しい人」だと言い、一人の人間として叱り付け、自分を大切にしろと言った。



『おはようって朝を迎えられるの幸せだなぁって思って』



決めてはなんだったのだろうか。

考えれば、あの任務の日アイツの目の前で自傷し、怒鳴りつけたアイツのそういう性格も、そして蝶屋敷で目の覚めた俺に言った「おはようございます」のあの表情も全て、惚れた理由にはならないだろうか。



「…………"おはよう"って朝を一緒に迎える時、アイツのそばにいてぇって思っちまった」



.

23→←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (459 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1064人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年5月16日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。