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ーーーパァン。
乾いた音が病室に響いた。
風門に勢いよく打たれた俺は少し固まったのち「……は?」とこぼした。目の前にいる胡蝶も驚きを隠せず、顔に出ている。
「貴方が良くても悲しむ人がいるでしょ?!」
「………」
「せっかく胡蝶様が綺麗に手当てしてくれたのに、なんでそんな乱暴なことするんですか!!」
俺の手にある包帯を奪い取って、腕を取ると丁寧に巻き直し始める。綺麗に巻き直すと、盛大なため息をつかれた。
風門は「思わず叩いたけど、後悔はしてませんので!」と言うと俺にまた罵声を浴びせた。は?となりながらも、俺に怒る風門に胡蝶が苦笑いを零しながら仲裁に入る。
「Aさん、隼人くんがお待ちですよ」
「あ…!それじゃあ私、行きますね。不死川さん、今回の任務ありがとうございました。戦法は気に入らないですが、いい経験になりました。じゃ、お大事に」
俺に対して怒りを露わにしていたが、急に「隼人」と胡蝶が言うと、パァッと笑顔になり俺に対しても微笑んで去っていく。女っつーのはよくわからねぇ生きものだ。
だが、「隼人」という男のところに向かったアイツも所詮は女なのだと確信した。白けたァとベッドから立ち、着替えて帰る支度をする。胡蝶は俺に薬を渡して、玄関先まで見送ろうとしていた。
「………………誰だァアイツ」
「隼人くんですよ。Aさんの弟です」
一回りぐらい歳の離れてそうな小さな餓鬼に微笑んでいる風門を見、驚く。男っつーのは弟だったのか。勘違いをしていたとは言え、悪ィことを思ってしまったと内心反省した。
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時