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「あの、宇髄さん」
「おお、どうした風花、じゃなくて今は風見か」
「前世で私が先に死んだので当時生きていた宇髄さんならわかりますよね」
ずっと気になっていた。
実弥さんと私の記憶の違いに。私の中での記憶は流行病の中、彼が必死になり看病してくれていた。だけど、実弥さんは自分が先に死んだことしか記憶になかったそうだ。
そうとなれば、私が死んだ後も生きていた人に聞くのが正しいと思った。とは言え、鬼舞辻戦後残った柱たちは少ない。この人に聞くのが一番手っ取り早い。
「…………あァ、不死川か。俺も再会してアイツと話をしてた時に少し気にはなってたんだ」
「そうだったんですね」
「だが、アイツの場合大事な弟を亡くした後、すぐにお前まで亡くしてしまって、現実を受け止めきれなかったんだろ」
あの忌まわしい無限城での戦い。
たくさんの仲間を失った私たち。仲の良かった友や同僚を一変になくした。そんな中、実弥さんは突き放してまで守りたかった玄弥さんを失った。
当時のことはよく覚えている。
決戦後、悲しみにくれていた彼に私はいつもそばにいたから。
ずっとそばにいると約束したのに、私は当時流行った病と鬼舞辻戦で負った怪我で二年しか生きれなかった。
「前世では鬼っつー化け物がいたけどよ、今はなにも怖いものはねぇし、アイツ最近派手に幸せそうな顔してるぜ。生徒の間でも"不死川先生笑った。カッコいい!"なんてうわさされてるしな」
「……………それは解せない」
「おっ、派手に嫉妬か?」
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カオリ - 素敵すぎました!!涙なしでは読めない、素敵な作品に出会えました。 (2023年4月29日 4時) (レス) @page50 id: 836efc3cce (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - この神作を書いて頂いてありがとうございました!!!本当に何周も読んで、何周もキュンキュンしたり感動したり、本当に今まで読んできた作品の中で一番です!夢主ちゃんと実弥さんの絡み大好き過ぎます…改めて、こんな素敵な素敵な作品、ありがとうございました!! (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
楚依 - 本当に最高でした。何周したのか…師範大好きです。 (2022年12月23日 23時) (レス) @page50 id: 2128c14dbd (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 尊み(´ω`) ハッピーエンドで心温まりました。 (2022年12月5日 19時) (レス) @page50 id: afeec74a39 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - お゛っあ゛…神様…尊みでひとりの人間が供給過多で死にました神作品マジでありがとうございます幸せっす本当ありがとうございますっ!!! (2022年5月29日 16時) (レス) @page47 id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年3月7日 13時