俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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「し、信じられません！！なんでこんなの……！！」

「苛立ったァ」



首筋に走った痛みに思わず手が出てしまい彼を殴ってしまった。慌てて首を見れば、血が少し出ていて、歯形がくっきりと浮かんでいた。そして彼の子供じみた理由に、笑ってしまう。



「笑ってんじゃねェよ。てめぇ、いつになったらその空っぽの脳みそ埋まるんだァ」

「いひゃいいひゃい」



頬を引っ張られる。

あの男たちに腰を抱かれた時、すごい嫌だった。なんて言ったって、私を抱き寄せていいのはこの人以外許されない。



開放さらた頬がヒリヒリする中、実弥さんの鍛え抜かれた手のひらが頬を包み込み、接吻を落とす。恥ずかしくなって視線を下に落とし、「これじゃあ温泉入れないです」と呟いた。



「じゃァ、旅館帰るかァ」

「あ！！！混浴！！お部屋の露天風呂！！！」

「うるせェ」

「今日一日名前で呼んだら言うこと聞くって言ったじゃないですかー！」



路地裏から出て行く実弥さんを追いかける。

旅館の方に歩いている彼の隣を歩き、「ダメですか？」と下から覗き込めば目がバッチリとあった。


無視され、肩を落としてシクシクと落ち込んでいると、何度かぶつかる手に気がついた。立ち止まり自分の手を凝視する。そう、よくよく考えると実弥さんと手を繋いで歩いたことがない。


周りを見ると、手を繋いでいる男女が数組見られる。手を繋いで隣を歩きたい。私から手を繋いだら、怒られるだろうか。意を決して隣に追いついて、そっとその手を掴み、繋ぎ直す。


一度はビクリと反応した実弥さんの手はギュッと私の手を握り返した。



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