俺の継子が可愛い件について【不死川実弥】

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ーーー師範が猫になりました。

正確に言えば、猫耳と尻尾が生えているだけ。そんな師範はフードを深く被り、尻尾が隠れるぐらいの長めの羽織を身につけて、私と一緒に帰宅した。



「師範ってよくポンコツ血鬼術にかかりますよね」

「うるせェ……」



屋敷についた途端に羽織を外す彼を見て、小さく吹き出せば思いっきり頬をつねられた。私はただ面白くて笑っただけなのにどうしてそんな痛いことしてくるんだ。


元に戻るのを待ちましょと言いながら、居間に行く。縁側でお茶をしたかったけれど、師範が縁側だと誰に今の無様な姿を見られるかわからないから嫌だと言った。



「おい、A……」

「はい？どうしました？」

「この尻尾取ってくれェ……」

「引っ張って取れるもんなんですか」



そんなにも嫌なのか。猫化した師範すごく可愛いのに。私はもう少しそのままでもいいと思う。猫じゃらしで遊びたい願望があるんです。



ひっぱれと言わんばかりにこちらに尻尾を向ける。

あ、それ自分で動かせるんだ。ここは師範の言う通りにしていないとまたこっ酷く怒られちゃうから、仕方なしに師範の尻尾に手を伸ばす。


ギュムッと尻尾を掴んだ途端、尻尾から体にかけて電気が走ったかのように師範の毛という毛が逆立つ。



「に"ゃっ？！」

「え、」

「！！！」



い、今猫の言葉……俗に言うニャン語を喋った。いや絶対に喋った！！あはーっと頬を紅潮させて、師範に「もう一回ニャン語喋ってくださいよ〜！」とそばに寄る。


師範の膝の間に座り、「ほれほれ〜」とニマニマしていれば、彼の腕を掴んでいた私を振り払った。その動作で頬に切り傷ができる。



爪を見てみれば、猫のように少し尖っていて「あれま」とこぼす。爪まで伸びているなんて気がつかなかった。



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