俺の継子が阿呆な件について【不死川実弥】

199 ページ5

*



傷口は寝ている間に塞がったらしい。

けど、未だ貧血状態だからそれが治るまではここで治療をしなければならない。ちなみに、師範も大量に血を与えたので貧血気味らしく少しの間任務に出れなくなってしまった。


胡蝶様が病室を出て行って二人きりになる。3日ぶりの食事にがっつきつつ、師範をチラリと見る。あ、目が赤い。



「………師範、もしかして私が目を覚ましてから泣きました？」

「は？」



「目の下、赤いですよ」と指で目の下をトントンと押す。にへらと笑うと、師範が「泣いてなんかねぇよ！！！」と言う。まるで小さな男の子みたいだ。なんだ可愛いお方ですねぇ。フフッ。


師範と食べますかー？と鶏の照り焼きを箸で掴み、師範の口元に運んであげる。どうせ食べてくれしないことわかってるんで、遊んでるだけです。



「…………お、おう」

「(え？)」



パクリとそれを食べた師範に、驚きつつちょっぴり嬉しさが溢れた。ふふふっと笑っていると、師範が「なに笑ってやがる」とジロリと睨んでくる。怖い怖い。


なんだか面白くなって、もう一つ照り焼きを摘み、師範に「はい、あーん」と差し出す。つり目をさらに吊り上げながらも、しっかりと私の食事を食べる師範に、「うはは！」と笑い声をあげる。



「ーーーイチャイチャしているところ申し訳ありませ〜ん」

「「え"」」



二人して入り口に目をやる。

そこにはニコニコした胡蝶様と、ニヤニヤとしている宇髄さん、そして顔がすごいことになっている善逸くんが立っていた。


.

200→←198

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す