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お礼をやっと言えた。
仕事のお仲間さんとギャーギャーと言い合っている彼を見つめて、もう一つ言いたいことを伝えたかった。
「あの、私あれからずっと考えていたんです。今度会えたら、お願いしようと思ってました」
「あ?なんだァ」
「…………私を、鬼殺の剣士にしてください」
これは親にも兄妹にも話していないことだった。
変わることのない空を眺め、ずっと思っていたんだ。あの日、助けられたこの命で今度は私が誰かを助けられたらって。
派手な髪色の人が驚いて口をあんぐりと開けている。彼はじっと私を見つめたまま目を伏せて、おはぎを口にした。
「やめておけェ。てめぇみてぇな女がいていい場所じゃねぇ」
「女とか男とか関係ありますか?」
「いつ死ぬかわからねェんだよ、鬼殺隊の剣士は。いつも命がけで鬼狩りをしてんだァ」
不死川さんの隣にいる煉獄という人も、「うむ!女としての人生を捨てるかもしれないぞ!」と大きな声で言った。
死ぬかもしれないのは百も承知。それはあの時痛感した。死ぬーーーそう思ったんだ。それを貴方が助けてくれた。
「そうですね、今の私では鬼に喰われて死ぬかもしれませんね」
「わかったならさっさと失せろ」
「でも貴方に弟子入りした私が死んだ時は貴方の育て方が悪かったと言われるかもしれませんねぇ」
ニッコリと笑っていうと、彼はコメカミをピクピクと痙攣させた。だってそうじゃない?力のない剣士を育てた不死川、と言われるかもしれない。
「………てめぇ……」
「私死にません。死なないよう、強い剣士に私を育ててください」
「…………いい根性してんじゃねぇかァ。嫌いじゃねェ」
*
「てめぇを一年で強ェ剣士にしてやる。ならなかったら俺がてめぇを殺す。いいな」
「覚悟してろよ!」
「それ俺のセリフだ馬鹿野郎ォ」
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*違う形で不死川さんと出会い、違う形で鬼殺隊の剣士になる。家族が生きていたとしても、鬼殺隊に入る運命だと私は思ってます。違う出会い方だから最終的に結ばれそうだね(!)最近忙しくて更新話数減っていて申し訳ないです!!
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ラズベリー - 面白いです! (2021年2月4日 6時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 最後が、「ええ、そつですよ」になってる、、、? (2020年7月25日 12時) (レス) id: 1d4ed2cded (このIDを非表示/違反報告)
0tt430v325326h(プロフ) - いつも見させて貰っています。質問ですが、過去はどうやって書いているんですか?私も作品を書き始めていますが全く分からない事だらけで… 普通の文字より少し薄いですよね?読んでてとっても分かりやすいんで、私も書きたいと思っていまして、どうか教えて下さい! (2020年5月22日 18時) (レス) id: a0727f11af (このIDを非表示/違反報告)
shinon※*(プロフ) - 何回も書きますがめちゃくちゃおもしろいです(*´ω`*)美桜さんの文章力羨ましいです!更新楽しみにしてます(>人<;) (2020年1月11日 18時) (レス) id: d985354645 (このIDを非表示/違反報告)
お肉 - リクエスト叶えてくれてありがとうございます!!これからも頑張ってください! (2020年1月11日 17時) (レス) id: 74901ad7b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2019年12月25日 18時