俺の継子が可愛くねぇ件について【不死川実弥】

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なんとか俺にだけ懐いてくれたAさんを背中に背負い、蝶屋敷へと戻る。禰豆子の入っている箱は善逸が全身全霊をかけて背負っている。少し顔が気持ち悪いことになっているが、守ってくれているだけ良いことにしておく。



「ぜーいつは顔がきもいね」

「なに？！！！カッコイイの間違いでしょAちゃん？！！」



「たんじろーは髪の毛綺麗。赤いね」

「ありがとう」



「いのすけぇは……………………猪だね」

「俺は山の王だぜ」



俺の背中で足をぶらぶらと降っているAさんに、「もうすぐ屋敷につきますよ」というとだれの屋敷なのかわかっていなく「お兄ちゃんに会いたい」と呟き始めた。


相当お兄さんが好きだったのか、さっきから口を開けばお兄さんの話をしている。


蝶屋敷に着くと、俺の背中から飛び降り、屋敷の扉を勢いよく開けて「お兄ちゃん！！」と叫んだ。いや、そこ君の家じゃないよ。



「あらまあ、誰ですか？この小さな女の子は」

「Aさんです」

「まあ、Aさん久しぶりに見かけたらすごく小さくなりましたねぇ」

「しのぶさん、そんなこと言ってる場合じゃないです」



ニコニコとしているしのぶさんに、Aさんは目線を上にあげ真顔になっていた。そして、「お姉ちゃんの笑顔嘘みたい」と呟いた。それは以前俺がしのぶさんに言った時のように、しのぶさんの表情が変わる。



「とりあえず、不死川さん呼びましょうか」

「あの、これ俺ら大丈夫なんでしょうか」

「まあ不死川さんはAさんのこと大切にしてらっしゃるので無事では済まないでしょうねぇ」



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