俺の継子が可愛くねぇ件について【不死川実弥】

124 ページ27

*



小さくなったAさんはとても無邪気。

16歳のAさんもですが、昔からこういう性格なのでしょうね。さっきから遊びまわっている。庭にいる蝶を追いかけては転けて、「お兄ちゃん！！」と叫んではいないことに絶望した表情をして「使えない」と呟いている。

貴方はお兄さんをなんだと思っているんですかねぇ。



「おい、胡蝶なんだァ」

「あら、不死川さん。お早いですねぇ」

「俺の継子が何かしでかしたのかァ」

「まあそんなところです」



「………怪我か？」と表情が一変し、心配そうにしている彼に「まあある意味そんなところですが元気ですよ」とお庭にいるAさんを指差した。



「なんだ胡蝶の親戚か？」

「よく見てください」

「あ？」



目を凝らしてみる不死川さんが、目を見開き、私を再びみる。「あのクソガキ、Aか？」と驚きを隠せていないようだった。頷いて、Aさんを呼ぶとこっちを見たAさんがテッテッテッと走ってくる。


不死川さんは基本子供に怖がられる人ですので、小さくなったAさんも怖がるかもしれない。そう思ったけれど、Aさんは不死川さんの前にくると、キョトンとした表情を浮かべた。


そして、ーーーギュッと不死川さんの足に抱きついている。



「Aさん、中身も小さくなっているみたいです。炭治郎くんたちは、不死川さんが殺されると逃げました」

「おいおい、こりゃ一体絶対どういうことだ」

「ご都合血鬼術です」



.

125→←123

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す