俺の継子が可愛くねぇ件について【不死川実弥】

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「それでは行って参ります」



お屋敷の玄関先、師範に笑顔で振り返る。

玄関の壁に寄りかかり、「おう」と軽く手を振る師範は今日はお非番のよう。隊服と違って私服の着物に身を包んでいる。


なぜ非番が重なっている日に一緒にいないかって？今日は私、とーっても大切な日だから。毎年この日は一人である場所に出かけている。去年は任務先で大怪我して行けなかったけど…、それ以外の理由で行かなかったことはなかった。

ここから約3時間歩いた場所にある小さな町。



「久しぶりだなァ、この町も」



見慣れたような景色を歩いて渡り、ある家の前に立つ。いやー毎年ここも見に来るけどやっぱさみしいもんだねぇ。今はもうない私の生家。今では違う人が新しい住まいを作り生家としている。


途中花を買い、墓地に行く。

「風花家」と書かれたお墓の前に、腰を下ろして花を生けた。私の家のお墓以外にもたくさんのお墓があるこの墓地は小さな子供達がよくお花を生けている。



「去年、来れなくてごめんね。………みんな」



あの日、私の家族はいなくなった。

助けてくれた師範に、脇目も振らず後を追いかけた。だから事後処理部隊の人や町の人たちが埋葬をしてくれていた。あ、ちゃんとお礼も言いましたよ。


このお墓にはみんなが眠っている。

お父さん、お母さん、弟二人に妹一人、そして、大好きだったお兄ちゃん。手を合わせて、たくさんの話をしているとあっという間に日が暮れた。あたりが蜜柑色になって、私をも染める。



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＊ちょいとシリアスに行きまっせ＊

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