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私と悟くんは、使用人と主人の関係性が昔からある。
「まるで呪いみたい」
ボソリと呟いた。
悟くんとは連絡を取っていない。私から連絡するほどではなかった。いつも何処からともなく、悟くんは連絡して無茶にも私を呼び出そうとしていた。
悟くんは忙しい人。高校生なのに、よくいろんなところに行っている。お土産が届いていた時期がよくあった。きっと今もどこかに行っている。
「水瀬」
「二宮くん」
「最近元気ないな。折角の旅行なんだ。楽しもう、な?」
修学旅行。東北の方に学校の行事で出向いている私は、同じ班の二宮くんにそう言われた。二宮くんに、先日「好きだ」と言われ、返事はじっくり考えてからでいいと先送りにされている。
そんな彼は今日とても嬉しそうだった。
私の手を握った二宮くん。
悟くんから「他の奴と手握るなよ」と言われたことを思い出して、払うように手を離した。「悪い」と謝られて、こちらが謝った。
「………さ、悟くんが、」
「アイツが言ったから、俺の手叩いたの?」
「………っ」
二宮くんとはそれからあんまり話をしなくなった。気を使わせてしまった、傷つけたかもしれない。そう思いながら、班行動を共にした。
クラス別の観光地見学。
自由未来館なんて、科学技術館的な場所小学生以来だ。空を想像させる、綺麗な空間に友達と二宮くんの4人で入った。澄んだ蒼い空に浮かぶ雲。
「綺麗な空」
ボソリと呟いた二宮くんに、私は思わず「もっと綺麗な空を私は知ってるよ」とにこりと笑った。それは本当に無意識だった。
脳裏に浮かぶ悟くんの瞳。初対面の時、第一印象、彼の瞳は空を凝縮させて嵌め込んだような、そんな印象だった。
「五条悟?」
「うん。悟くんの瞳って、すっごい綺麗なんだ」
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沙羅(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます(^ω^)長い間読ませていただきました。番外編楽しみにしてます!甘々な展開、期待しております! (2021年4月19日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
踊る宝石(プロフ) - はじめまして!本当にこの作品大好きです。番外編がこれから少しあるんですかね?更新楽しみにしてます! (2021年4月19日 1時) (レス) id: 7183f6d526 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美桜さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
飼口(かいぐち)(プロフ) - 一人称が僕になってる…!てことは夏油はこのときにはもう…? (2021年4月13日 21時) (レス) id: 57441fdd79 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美波さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟でお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年4月4日 19時