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「ーーーお楽しみ中、悪いね」
じっと固まっていた私の耳に届いたのは夏油くんの声とくすくすと硝子さんの笑い声。振り向いたそこは、悟くんの部屋の扉。二人の目に映るのは、悟くんの膝に正面から座っているような私。そして外された制服のシャツが若干肌けている状況。
咄嗟に悟くんから離れると、がっちりと彼に腕を取られた。
「命令だつってんだろ」
「………悟くん、もう私たちにはそういうの、」
「これは五条家の悟坊ちゃんの言葉じゃねぇ」
引っ張られてまた状況は同じになる。皆んなが、見ているのに。悟くんに抱きしめられている恥ずかしさよりも、見られている羞恥心の方が大きかった。
「お前の彼氏としての命令」
「えぇっ。い、今までとそう変わらない気が、」
「変わるんだよ。俺はお前の恋人。だから、お前は俺のもの。触れていいのは俺だけ。俺に触れていいのもお前だけ」
これは大変困りました。
主従関係がある頃と全くと言って変わりがない気がする。流石の夏油くんと硝子さんもケラケラと笑いながら「今までと変わらない」と言っている。
「ま、彼氏な俺の言うとおりしてりゃぁ、A、お前すんげぇ幸せにならっから。安心して俺の言うとおりしてろ」
「解せない」
「なんか言ったかよ」
「なんでもない」
その後、皆の前で見せびらかすように唇を貪る悟くん。叩いて逃げようかと思ったけれど、一つ一つ私に見せる瞳も、手つきも今までと違っていて、離れたくなかった。
「悟ぅぅ!!!」
「げ、夜峨セン……!!」
「お前、報告書まだ持ってきてねぇだろ!女といちゃつく暇があんならさっさと提出しろ!!」
先生に説教を受けている中、私は夏油くんと硝子さんとその場から逃げたのだった。
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沙羅(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます(^ω^)長い間読ませていただきました。番外編楽しみにしてます!甘々な展開、期待しております! (2021年4月19日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
踊る宝石(プロフ) - はじめまして!本当にこの作品大好きです。番外編がこれから少しあるんですかね?更新楽しみにしてます! (2021年4月19日 1時) (レス) id: 7183f6d526 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美桜さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月14日 21時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
飼口(かいぐち)(プロフ) - 一人称が僕になってる…!てことは夏油はこのときにはもう…? (2021年4月13日 21時) (レス) id: 57441fdd79 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 美波さん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟でお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年4月4日 19時