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「……A!!総悟が!」
「え?」
顔色を変え、私の目の前にやってきたのは粛清に行っているはずの土方さんだった。総悟の状態を焦りながら伝える彼に、私は痛く胸を鼓動させた。
「意識不明の重症だ…!」
その言葉に、私の脳裏には今は亡き父と母。お母さんが亡くなったときの絶望した孤独感が再び私を襲ってきていた。頭が真っ白になる私に、なにかを言って伝えている土方さんの声は全く聞こえていたなかった。
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「A」
「……!」
「大丈夫か?」
「ぎ、銀さん?」
夢だったのか。
そう思えたのは朝日が窓から入っていて、より一層銀髪の色が映えている銀さんが目の前に映ったからだった。体を起こして濡れた目元を拭う。
だいぶん魘されていた私を心配する彼に「怖い夢見ちゃった」と笑って誤魔化した。どんな夢だ?と内容を聞いてくるけど、なんとなく言えなかった。私は逃げるように着替えてはリビングの方に出て行く。
「(……嫌な夢、)」
今日の正午を過ぎた頃に彼らは帰ってくる。
タイミング悪くあんな夢を見てしまうとは思いもしていなかったから少し震えが止まらない。家族を全員失ったときの孤独感なんてもう二度と味わいたくないんだ。総悟には無事に帰ってきてもらいたい……そう願うばかりだった。
まだ朝の5時半。
朝食担当は新八くんだけど、たまには私がしようと準備に取り掛かることにした。
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まゆゆ(プロフ) - 星が10じゃ足りない‼︎ (5月7日 0時) (レス) @page50 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - ありがとうございます!楽しみにしてます! (2018年11月3日 21時) (レス) id: 4f4766f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - のんのんさん» コメントありがとうございます!ハロウィン終わっちゃいましたが、続編にて書きますね!! (2018年11月3日 19時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - リクエストいいですか?ハロウィンのお話読みたいです! (2018年10月17日 17時) (レス) id: 4f4766f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - のんのんさん» コメントありがとうございます!いつもありがとうございます!イメ画描いてくださるんですか?!ぜひぜひ嬉しいです!! (2018年10月14日 13時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年10月7日 18時