114 ページ17
*
「わぁ、人がちっちゃい。ゴミ粒みたいだね見てよほら」
夜、8時を過ぎたころ。もうすぐ閉園時間だったため、最後にとっておいた観覧車に乗った。別にジンクスがあるから乗ったというわけではない。断じて、うん。
外の景色を見ては一人ではしゃいでいる私を総悟は黙って見つめていた。もうちょっと一緒にはしゃいで欲しいけど、こういうところではしゃぐような彼ではないし仕方ないか。
「……」
「やっと大人しくなったかィ」
総悟に向き直って座り直す私にそう言った彼は、「どうだった」と今日一日について聞いてきた。そんなの「楽しかった」の即答だ。初めてきた遊園地が総悟と一緒だったんだ。つまんないはずがない。
地球に来てから初めてのことばかりでいろいろ大変だったけど、それはそれでいい経験になったと思う。こうして総悟と居られるのも、その経験があったからこそだ。
「総悟といれるだけで充分幸せで楽しいって気づけた」
にしし、と笑う。
すると総悟はいきなり立ち上がって私の前にやってきた。「んお?」と口を開けて総悟を見上げる。この時間、観覧車はライトアップされている。そのため総悟がより一層輝いて見えた。甘栗色の髪の毛がキラキラと光って。
総悟が腕を伸ばす。その手は私の顔の横を通り過ぎ壁に音を立てずにつけた。それは俗にいう壁ドンで。「なぁ、キスしていいか」と聞いてくる彼に「お好きなように」と言った。
「……ほんといい女だな」
「でしょ?」
唇を食べるように貪る総悟。観覧車も3/4を通過する。あぁ、もうすぐ着いてしまう。いつまでもキスをやめない総悟の頭を叩いて「長い」と言った。彼は舌打ちをすると漸く私から離れた。
.
1309人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆゆ(プロフ) - 星が10じゃ足りない‼︎ (5月7日 0時) (レス) @page50 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - ありがとうございます!楽しみにしてます! (2018年11月3日 21時) (レス) id: 4f4766f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - のんのんさん» コメントありがとうございます!ハロウィン終わっちゃいましたが、続編にて書きますね!! (2018年11月3日 19時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - リクエストいいですか?ハロウィンのお話読みたいです! (2018年10月17日 17時) (レス) id: 4f4766f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - のんのんさん» コメントありがとうございます!いつもありがとうございます!イメ画描いてくださるんですか?!ぜひぜひ嬉しいです!! (2018年10月14日 13時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年10月7日 18時