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「…わ、さすがたまさんだ」
美味しいと零しながらしじみの味噌汁の味見をした。ご飯も炊き上がり、一昨日特売で安売りしていた豚肉で生姜焼きを作った。
一通り出来上がったご飯を盛り付けたあと、リビングに行き、総悟の体を揺さぶった。
「起きて」
「……」
「総悟、朝!!」
昨日非番だったから今日は仕事のはずだ。
せめて9時までには屯所に戻らせた方がいいだろう
と思い、起こすけれどなかなか起きてくれない。ビンタしてやろうか、そんなことを一瞬思いついたがさすがに昨日酔い倒れた私をここまで運んでくれたから出来ない。
「ねぇ、総悟」
「…………」
「総悟ったら、起きて。総悟…!!」
何度も総悟の名を呼んで、起きるのを待ち続ける。
……いや、さすがにおかしいと気づき、終始総悟をじっと見た。……今、鼻が動いた。
「……起きてるでしょ」
「……」
「いいよ。嘘つく人私すっっっごい嫌いだし、朝ごはんもあげないから」
意地悪をしてみれば、総悟はパチっと目を開いた。
「おー、いい目覚めだぜィ」と言いながら、体を起こして、奴は私が何度も総悟を呼ぶのに浸っていたという。
「ご飯……、食べるでしょ」
「……おう」
もうすでに私が朝ごはんを作っている途中で、目を覚ましていたらしい彼。匂いを嗅いで起こしにくるのを待っていたそうだ。
台所からご飯を持ってきては、お箸を総悟に渡す。「料理できねェと思ってたが案外うまそうだな」と感心しながらも少し貶してくる。食べてみろと笑顔で言い、手を合わせた。
「……ん、うめェ。これほんとにテメェが作ったのか」
「……あ、いや、それはたまさんから差し入れというか、二日酔いにいいからって今朝もらった」
「……悪ィ」
謝らないでほしい。
それより!と生姜焼きをオススメすると、総悟は少し照れたようにそれを食べてくれた。咀嚼し、飲み込むと彼は「美味ェ」と言ってくれる。それが心の底から嬉しかった。
「やった」
「…!」
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時