夜兎女の攻略法.【沖田総悟】

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銀さんに万事屋まで連れて帰られた私は、お風呂に入って体を温めるとそのまま眠りについていた。とは言えども、ショックのせいなのかそれとも昼寝ができないせいなのか少しして目を覚ましてしまう。


ハァとため息を漏らして、身体を横に向けた。

今頃総悟は何をいるだろうか。考えるのはそればっかりで、私は彼に嫌われたのではないだろうかと考えてしまうばかりだった。そう思えば思うほど悲しくなって、自分には恋愛は向いていないのではないかと思ってしまう。



「お前、なんでAを…！！」

「落ち着け神楽」



しばらくそれを繰り返していると、玄関が開く音がした。そして、神楽ちゃんが怒る声。なんとなく、銀さんがまたどこかに行っていたことは気づいていたから総悟を待ち伏せでもしていたのかもしれない。


お兄ちゃんのようなお父さんのような銀さん。
私のことを思ってそうしてくれたのだろう。でも今はなるべく会いたくなかった。どういう顔をして総悟と話をすればいいの？



「…………」



無言で入ってきた総悟は私の寝る布団の前に座った。私は背中を向けている状態なのでどんな顔をしているのか把握できない。



「……悪ィ」



そう謝った。

私もいつまでも総悟に背を向けていてはダメだと思い、そっと身体を起こして彼をみた。泣きすぎて目が真っ赤に腫れ上がってるかもしれない。久しぶりに長い間泣いていたから今の私の顔は江戸一番不細工だ。



「A、」
「いいの！私なら大丈夫だから」



総悟の声にかぶせて、無理に笑った。
まだ今は自分の気持ちに蓋をするとしよう。今の状態で総悟に「好き」の二文字は言えない。

ーーーだからごめんね、総悟。



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