夜兎女の攻略法.【沖田総悟】

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「ふふ、」



今日、晩御飯を新八くんと作りながら、私は鼻歌を漏らしていた。「楽しそうですね」とニコニコしている新八くんに「まあね〜」と返す。今日は天ぷらだ。食材に衣をつけて揚げていく。その音を聞いているのは気持ち良い。


エビの腹の部分に切れ目を包丁で入れる。
それを新八くんに渡すと彼が衣をつけて揚げてくれた。ウズラの卵も買ってきているため、それも揚げる。



「そういえばAさんって、神楽ちゃんのお兄さん…神威さんとも仲良いんですか？」

「うん、神威とは同い年だから」



昔のことを思い出しながら、作業をする。
新八くんは「同い年と言えば、沖田さんも18歳ですよね」と彼の話題に切り替えてくる。彼が総悟の話をしてくるのはちょっと新鮮だ。


「最近は沖田さんとも仲良いですよねAさんって」と笑って言ってくる新八くんに私も笑いながら「まあね」と答えた。



「変なこと聞いてもいいですか？」

「なになに？」

「沖田さんと神威さん二人から俺についてこいって言われたら、どっちにしますか？」



「……ん？」と目を見開いた。
新八くんってこんなに乙女チックなこと言う人だったけ？なんだか「崖から二人が落ちかけている！どっちを助ける？！」みたいな質問だ。


そんな状況ではないけれど、私は動いている手を止めて考えた。私にとって神威は大切な人。総悟のことは？と聞かれたら、なんと答えるか。



「……総悟かも、」

「え？」

「自分でもわかんないんだけどね、今真っ先に顔浮かんだの総悟だったからさ！」



「おかしいよねアハハ」と頭をかきながら笑い答える。一緒にいたい…そう思える相手が総悟だったんだ。


私の中で出始めてきている感情にまだ気づいていない。そんな私に新八くんは「Aさんって何というか変な人ですよね」と言った。



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