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小さい頃に両親を亡くした私にとってはわからないことだった。
総悟の真剣な顔に困っている自分がいる。
こんなことを言われるとは思いもしなかった。明日からどうすれば良いのだろう。
「私、恋愛とかよくわからない」
「(俺もわかんねェよ)」
「好きとか嫌いとか、今までの関係が崩れるのだって怖い」
もし仮に私が総悟のことが好きだとする。そしたら、私は総悟とこの先どうなるの?それすらよくわかってないんだ私は。それとは逆に、総悟のこと嫌いだと伝えたら、もう今までの関係終わってしまうんじゃないのだろうか。
しゃがみ込む私に、総悟も目の前に来てしゃがみこんだ。ビックリし肩を跳ね上げた私に、総悟は「そうかィ」と短い言葉を言う。
「その方が面白ェ」
「……へ?」
「お前が俺が好きかどうかわからねェってんなら、テメェを惚れさせてやらァ」
なにを言ってんのかちんぷんかんぷんだ。
笑っている総悟は何か勝負が始まった時の子供のような表情で。さっきまでと変わって、やる気に満ちた顔になっている。
「もちろん、俺を男として好きになってもらうぜ」
「……そんな簡単に」
こんなに上から目線の男、絶対好きになるわけがない。
ずっと下に向けていた視線を総悟に向けるとバッチリと目があった。私が合わせていなかっただけで、彼は随分と長い間私を見ていたのだろう。
そう思うとどこか恥ずかしくなってくる。
「か、帰る」と言った私に短い返事だけした総悟は、私より先に立ち上がって部屋から出て行った。
「……まじか」
一人になった部屋で大きなため息を吐いた。
まだまだ真昼間。
フラフラと部屋から出て行き、玄関で靴を履くと門前まで歩いた。だが、そこにいる男に再び私は悩まされることに。
「送っていってやら」
「え…」
「んな嫌そうな顔してじゃねぇよクソ女」
アンタ本当に私のこと好きなの?
そう言いたくなる私を他所に総悟は後をついてくる。万事屋に着く前にどうにかして此奴を撒かねばならん。一緒に帰ってきたところを見られたら、根掘り葉掘り聞かれるに違いないもの。
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時