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いきなりAの好きな人について聞いてきたサドに私は顔を歪めた。記憶の中のAとの思い出の中で私が一番に思いついたのは、まぎれもない馬鹿兄貴だった。
「ーーーAは神威のことが好きアル」
サドがどういうつもりで私にそんなことを聞いてきたのかは検討がつかないけれど、後から考えてみるとAのことをからかうためのネタにしようとでも思っていたのかもしれない。……なんて思っていた。
サドがAに違う気持ちでいることすら、私は知らずAは神威のことが好きだと喋っていた。ホントのところはAに聞かないとわからないけれど、私はあの日のAのことを忘れることは今でもない。
「Aは私たちと会う前は一人だったアル」
「……それは聞いた」
声のトーンが急に下がったサドになんの違和感も感じぬまま話をしていた。
一人で今にも倒れて死んでしまいそうだったAを見つけたのは私でもパピーでもマミーでもなく、神威だった。私は神威と一緒にいたけど、最初に見つけたのが神威だった。
神威が手を差し伸べなければ、今Aはこの世に生を成していなかったかもしれない。Aと三人で家に帰ったとき、マミーたちは怒りもせず、優しくAを迎え入れてくれた。
お風呂に入れさせて、暖かいご飯を食べさせて。
そのとき、Aは大きく泣いていた。後から聞いた話だけど、Aは両親を亡くしていたそうで、あのときに久々に家族の温もりを感じたらしい。
何年か一緒に暮らしていて、初めは笑わなかったAも随分と笑うようになっていた。年が同じだった神威とは本当に仲が良く、私も本当のお姉ちゃんになってヨと度々言っていた。
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時