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「おい、お前ら!」
「あ、土方さん」
すっかり忘れさられていた土方さんが私たちの元に走ってやって来た。二人きりだったのを邪魔された総悟は土方さんを睨んで「なんで今来るんですかィ。空気読めよ土方」と悪態をつき始めた。
宮本さんの姿が見えず、彼奴どこに行ったと私たちに聞いてくる彼に詳細を少しというか大幅に変えて説明している総悟を後ろから見つめた。
総悟は「これらはいつでも彼氏役なってやるぜ」とニヤッと笑う。それをじっと口を尖らせて見、「ありがとう」と言った。
「可愛くねェな。もうちょい怖かったよありがとう総悟つってよ、語尾にハートでもつけろよ」
「そんな可愛くない女好きなのはそっちでしょ」
「まあな」
否定しないところに、総悟らしさを感じながら「私帰る」と総悟の隣を通り過ぎた。「俺も屯所帰ろ」と後ろから聞こえてきて、「いい!!一人で帰る!!」と大声で私について来ようとする彼に断った。
だけど、総悟がそう簡単に引くわけがない。
「なんでィ。俺ァもう今日のお役目果たしたんでィ。偶にはお前と一緒に帰りてェよ」とくそ素直に帰りたいと言った。今朝方一緒に屯所に出勤したじゃん。
「じゃ、じゃあ土方さんも一緒に帰ろうそうしよううん」
「チッ、」
土方さんを真ん中に歩かせて、私たちは江戸から屯所へと歩いて帰っていく。ふとした時に私何かを忘れているような…と考え込む。
「私って何かをしに街まで出てきたんだった」
「なんだもうボケが入ったのか」
「もともとボケが入ってるようなもんだろィこいつは」
思い出せぬまま、帰路につく。
時々入ってくる総悟のちょっかいを上手く避けながら、時折土方さんを二人でいじる。そんな馬鹿らしく私たちらしいことをしながら帰り着いた。
そしてーーー。
「Aちゃん、お醤油は?」
「……へ?」
「ひぃぎゃあああああ!!!」と叫び今忘れていたことを思い出す。あのファミレスに置いてきたままだ。女中リーダーに説教され、鯖の煮付けだった今日の献立は急遽塩焼きに変更され、私はキャベツの千切りをキャベツ5玉、無心になってやった。
その様子を幾度となく厨房に訪れては、私がキャベツの千切りをしている姿を笑いにくる……沖田総悟。夕食の時間までもう来るな。そう言いたい。
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時