年下彼女に要注意？【神威】

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「安心してください。私は神威さんと元より結婚はしません。両親は知りませんが神威さんにもちゃんと話してありますし、彼も了承済みです」



「え？」と驚く私に彼女は言った。

初めて会った日、神威さんはすぐに吉沢グループご令嬢の彼女と結婚できないことを伝えたそうだ。理由は私がいるからだと。元々、恋人がいた彼女は自分の生まれた環境に半ば覚悟していたらしいが、神威さんの反抗的な言葉に自分もしたくないと名乗り出たそうだ。


「思ってた人通りですわ」と両手を合わせて笑う彼女は私と変わらない純粋な女の人のようだ。さっきまで怖くて仕方なかったが、今では少し共感できる部分がある。



「何か誤解をされてたらいけないからお話をしておこうと思って」


「誤解…？」


「されてますよね？」



鋭い彼女に黙り込む。

「私、神威さんとこのお見合い結婚をブッチする計画立ててたんです。お互い好きな人と一緒になるために」と正直に話してくれた。直接会って計画を練ることが多かったらしく、その時は誰にも内緒にしてほしいと神威さんに言っていたそうだ。


私の方も自然と「あの時もそれで会ってたんですね」とポロリと零していた。



「ごめんなさい、私の我儘で貴方を傷つけてしまって」


「……私がもっと神威さんを信じていれたら誤解せずに済んだだけです」


「私が海外に発つ後、恐らく彼は貴方の所に真っ先に向かいます。……その時は彼を受け入れてあげてください」



まっすぐな瞳、まっすぐな言葉。

私なんて弱くて泣いてばかりだったのに、彼女はとても心の強い人。「私にはその資格がないです」と小さく呟くしかできなかった。



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